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研究科長・学部長メッセージ


人文社会学部・人間文化研究科への招待

 今、世界が直面している課題―紛争、環境破壊、貧困、格差、人権侵害、そして新型のウィルス感染症etc-どれもが社会のあらゆる面に多大な影響を及ぼし、特定の学問知だけで乗り越えることは不可能と思われます。

現代を照らす人文社会学科の「星座」を描こう
 夜空を飾る星座は、古代エジプト人が夜空を細かな領域に分け、種蒔きの時期などを知ろうとしたところから始まったそうです。現代では夜でも明るくて、星空を見上げる機会は少なくなったのかもしれませんが、人は何にも迷わず惑わず、豊かさのみを享受する生活を送れているでしょうか。
 いま、さまざまな機会で耳にする「17の持続可能な開発目標」(SDGs)を見ても、貧困・教育・さまざまな不平等、平和と公正など、人文科学・社会科学の貢献が求められる課題がたくさんあります。確かに人類の文明は発展しましたが、未解決のままの社会問題は山積みしており、混迷の中で人々は暮らしています。いまでも、いや、いまだからこそ、何をなすべきか、どう進めばいいかを指し示す星座のような存在を、人は求めているのではないでしょうか。
 名古屋市立大学の人文社会学部は、心理教育学科、現代社会学科、国際文化学科の3学部での学びを通じて、高度で確かな人文科学・社会科学の知で世界を照らし、人と人をつなぎ、人と世界を動かし変えていくことのできる人材を育成したいと考えています。1等星でなくていい。小さく弱い光でも他の星と結ばれながら1つの図を描き、世界に何かを指し示せるように
―そんな思いに共鳴していただけたなら、人文社会学部の扉を開いてみませんか。


いま一度「精神的豊かさ」を求めて
 いまも昔も、人間の生活には、物資的豊かさや科学技術の発展だけでは不十分で、それとともに、あるいは、それ以上に、精神的な幸福を感じることが重要です。人文科学・社会科学の諸学問を追求する意味は、まさにこの点にあると思います。
 いま、さまざまな機会で耳にする「17の持続可能な開発目標」(SDGs)を見ても、貧困・教育・さまざまな不平等、平和と公正など、人文科学・社会科学の貢献が求められる課題がたくさんあります。いまこの文章をお読みのみなさんも、これらの問題に強い関心を持ち社会の不公正や機能不全に激しく憤り、その解決に向けた強い熱意をお持ちなのではないでしょうか。
 人間文化研究科における「グローバル文化」、「日本文化」、「都市政策」、「ジェンダー・福祉・社会学」、「『こころ』の発達」、「社会と教育」の6コースの学修は、個々の専門性を究めるのと同時に、幅広い学際的な学習も可能としています。昼夜開講制や長期履修制度も採用し、仕事をもつ社会人大学院生でも、自分のペースで無理なく学修する仕組みも備えています。豊かな見識と経験を持った教員たちと、多様な関心や社会的背景を持ちつつも、熱い想いを共有する学生たち
―わたしたち人間文化研究科の輪の中に、みなさんも加わってみませんか。
大学院人間文化研究科長・人文社会学部長 久保田 健市

学部の理念と教育の目的

教育研究上の目的

豊かで人間らしい生き方を探求するため、持続可能な地域社会と地球社会をつくる研究を人文科学・社会科学諸分野から総合的に実施し、科学の目と豊かな人間観を持ち、人の多様性を理解し、生涯発達の支援・次世代育成に貢献する能力、複雑な現代社会の姿を深く認識し、社会の抱える諸課題の実践的な解決について考える能力、異文化と自文化の理解、異文化間の交流と共生について多面的に考え、行動する能力を身につけることを目的とする。

人材の養成に関する目的

  1. 心理教育学科においては、心理学・教育学を基礎として、人間の多様性を尊重し、生涯発達の支援・次世代育成に取り組むことのできる人材及び人間の個性、生涯発達の過程、また環境との関係の中で生じる多様性について総合的に理解することで、子どもの発達に関わる現代的諸課題の解決及びその健やかな発達を保障する教育と心理的支援に貢献できる人材を養成することを目的とする。
  2. 現代社会学科においては、地域社会で現に生起している社会問題群を的確に認識する社会調査・分析能力を備えた人材及び多様性・多元性が高まる社会の中で、差異を認め、格差を乗り越える社会インフラのあり方を学び、地域社会の発展や協働・福祉に貢献する人材を養成することを目的とする。
  3. 国際文化学科においては、人間科学・社会科学諸分野の幅広い教養を身につけ、グローバルかつローカルな視点から自文化と異文化の相互関係を理解して、文化と社会の特質を批判的かつ柔軟に把握することができる人材及び英語その他の外国語の実践的な言語コミュニケーション能力を発揮して、地域社会と国際社会に貢献しうる人材を養成することを目的とする。