日時：2022年10月24日（月） 16:30～

●富田真紀子先生
「働く人々のワーク・ライフ・バランスと心身の健康」

＜開催報告＞
1980年以降、欧米を中心に共働き家庭が増加し、ワーク・ライフ・バランス実現が重要な課題となってきた。本邦でも、2007年に「ワーク・ライフ・バランス憲章」が策定され、性別、年齢を問わずに人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会の重要性が示唆されている。
近年では、ワーク・ライフ・バランスという概念は社会一般に定着しつつあるが、実証研究は未だ十分でない。そのため、ワーク・ライフ・バランスを捉える概念として、ネガティブ側面のワーク・ファミリー・コンフリクト、ポジティブ側面のワーク・ファミリー・ファシリテーションを用い、これらが青年期から中高年期までの心身の健康に影響を及ぼすという知見を紹介した。また、これらの知見を踏まえて、学際的研究への展開も含め今後の展望を論じた。


日時：2022年10月26日（水） 16:30～

●米川和雄先生
「こども達を輝かせるエンパワメントの理論とアプローチ」

＜開催報告＞
5年以上におけるエンパワメント研究として、理論と介入における検討結果、並びに経験的アプローチとしてのエンパワメントの条件や原則について紹介した。理論検証では、自己について（例えば、長所や短所を）肯定的に受けとめることが、よりよい選択や行動につながるというモデル検証の結果を紹介し、介入では、その行動の効果を紹介した。
さらにエンパワメントの理論通りにその力を波及させるには、他者との共同等の条件があるが、そもそも自身の存在を認められる体験等が伴うことが原則である等のエンパワメントの構造について紹介した。