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マンデーサロン開催報告 11月開催分


日時:2022年11月28日(月) 16:30~18:00

●アンドレア・カスティリョーニ先生
「幕末・明治の札と掛軸から見る湯殿山信仰」


<開催報告>
本発表は、江戸後期〜明治初期の出羽三山湯殿山信仰における、信仰的物質性(マテリアリティ)と儀礼的実践の関係性を探究するものである。湯殿山講の在家信者の家々に祀られた掛け軸に注目し、その宗教的意義と物質的な側面を考察することを目的とした。
具体的には、1868年の神仏分離令の後、仙人沢の風景に溶け込んだ神仏習合の世界を視覚的に伝える役割を果たした作品群を分析した。これらの掛け軸の研究から、信仰の対象となる「モノ」や絵画が、修験者、行人、在家信者等を含む、湯殿山信仰に関わるあらゆる人々の交流によって紡ぎ出される信仰活動において、いかに位置づけられるのかが明らかになった。
さらには、このような信仰に関わる「モノ」は、神、権現、仏等の超越した存在を表すことに留まることなく、これらの存在を、自然界において人類と関わる有機的な存在として、認識可能な形で具現化することを意図している点を論じた。湯殿山信仰における「モノ」(マテリアリティ)に関するこれらの考察を通して、自然と文化、具現と非具現、内在性と超越性の相互関係を明らかにし、これらの一見相反するディスコースが、湯殿山信仰のみならず山岳信仰全般の宗教的カリスマ性の原動力となる点を探究した。


●梶浦眞由美先生
「速聴英語の効果的な練習方法-脳科学からの検証-」


<開催報告>
効果的な第二言語のリスニング方法について、トレーニングを実施して得たデータとfMRIによる脳機能イメージングデータを使用して検証した結果を報告しました。これらの実験により、理解できない音声や既に理解できている音声をそのまま聴き続けるよりも、理解が難しい音声を他の情報で補って聴く練習が第二言語のリスニング力向上に有用であることが行動データと脳データの両面から示唆されました。
また特定の脳活動が第二言語リスニングトレーニング効果の個人差を予測するという点でも興味深い結果となりました。様々な分野の先生方からいただいたコメントは大変参考になりました。貴重な機会を頂きありがとうございました。