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平田ゼミ・榎木ゼミの学生が名古屋国際関係合同ゼミナールに参加(国際文化学科)


2021年12月5日、全国から8つの大学、9つのゼミが参加して「名古屋国際関係合同ゼミナール」が開催されました。愛知県下で国際関係を学ぶ学生を中心に毎年開催されているこの催しは、今年で43回目。コロナ禍の状況を鑑み、今回は初の試みとしてオンラインと対面によるハイブリッド形式で行われ、会場となった金城学院大学には県内4大学(愛知県立大学・金城学院大学・南山大学・名市大)の学生・教員ら約60人が来場し、県外4大学(神戸大学、中央大学、広島大学、龍谷大学)はオンラインでの参加となりました。
本学からは、人文社会学部国際文化学科の平田雅己准教授と榎木美樹准教授の各ゼミ代表者7人が参加。それぞれ日頃の研究成果を発表すると同時に、質疑応答や他大学の発表に接する中で、学内イベントとは異なる緊張感、刺激を経験することができました。

<榎木ゼミ>
発表テーマ: 生理の貧困~貧困における人々の状態に着目して~

■発表者:太田成美さん、島田美月さん(3年生)
■感想:
今回題材とした「生理の貧困」は、コロナ禍によって収入が減少し「生理用品の購入が困難だ」といった声が集まり、SNSを中心として高まってきた運動です。ただSNS上では「生理用品の購入が困難だ」といった声がある一方で、「生理用品そのものの価格は高くない。服飾品などの娯楽にお金を費やしているから買えないのではないか」といった批判もありました。こういった批判も確かに理解はできます。しかし、本当にその批判で終わって良い問題なのかと考えたところ、決してそれだけで終わって良い問題ではない、少しでも悩んでいる人がいるならばもっと深く要因を探る必要があると私たちは考えました。そこで「『生理の貧困』という問題は、日本社会の相対的貧困の問題と深く関わっている」という仮説を立て、貧困における人々の状態に着目し研究していきました。
他大学の方々の発表を通して、合同ゼミがなければなかなか知る機会もないような社会問題について、触れることができ非常に貴重な時間でした。一見分野が全く違う題材かと思われても、よくよく聞いてみると自分たちの発表や学んできたことと繋がりがあるものが多く、もっと様々なことを学んでいきたいと感じました。
また今回の発表形式は、対面とオンラインのハイブリッド形式であり、多くの制限がある今だからこそできたことかもしれません。準備をしているなかで、「ああでもない」「こうでもない」と話し合いながら頭を悩ました時間は研究だけにとどまらず今後の自分たちの糧になっていくと感じました。

榎木ゼミの発表風景

榎木ゼミの発表風景

<平田ゼミ>
発表テーマ: 学歴分断社会日本〜固く結びついた学歴と雇用形態を読み解く〜

■発表者:久米健太さん、水口奈々さん、向江安美香さん、村佐楓さん、森川晴香さん(3年生)
■感想:
平田ゼミは20年以上前から毎年この合ゼミに参加しています。今年は、学歴と雇用形態について分析し、発表しました。
コロナ禍で広がる格差について、私たちは学生として、経済的困窮と教育の機会の格差の関係を身近に感じ、この分野について研究を行おうと決めました。そして経済的困窮を生み出す原因は非正規雇用の不安定さにあると考え、大卒・非大卒間に経済的格差が存在することに着目しました。私たちはそもそも大学を卒業しなければ貧困になるという社会が問題であり、この根底には社会の構造的要因があるのではないかと考え、学歴と雇用形態についての研究を行いました。
今回は対面での発表ということで、「伝える」ということにもこだわり、発表構成についてギリギリまで改善を重ねたり、原稿を読むのではなく、自分たちの言葉で発表できるようにしたりました。実際に他大学の人たちと議論ができたことで、新たな発見があり、自分たちが取り上げたトピックはもちろん、他ゼミが発表したトピックについて、より深めたいという気持ちがわきました。また、他大学の面白い視点や斬新な切り口からの発表、よく調べられていてわかりやすい発表から、多くの刺激を受けることができました。この経験を生かして今後のゼミ活動に励みたいと思います。

平田ゼミの発表風景

平田ゼミの発表風景

(文責)
榎木ゼミ:人文社会学部 国際文化学科3年 島田美月
平田ゼミ:人文社会学部 国際文化学科3年 向江安美香