バックネル大学TA通信(2023-2024 第19期生まとめ)Part 1
バックネル大学TA奨学生制度は、人文社会学部国際文化学科の学生をアメリカ・ペンシルベニア州のBucknell Universityに日本語のティーチング・アシスタント(TA)として9ヶ月間派遣するプログラムです。
【報告者】人文社会学部 国際文化学科 小竹若菜さん
Q1.春学期で印象的だった出来事を教えてください
■担当した日本語クラスについて
春学期に担当した日本語クラスは、初級クラス2つと中級クラス1つです。初級クラスの学生の中には、専攻科目の授業スケジュールのため受講を断念した人もいましたが、時間を作って聴講生として授業に来てくれたり、オフィスアワーに来てくれたりする生徒が多くいました。また、中級クラスの生徒は全員、受講継続を決意してくれ、秋学期に培ってきた信頼関係の成果として見られ嬉しかったです。先生方からも完全に授業を任せてもらえるようになり、指導方針に沿ったより楽しい授業実践を心がけました。日々、日本語スキルの上達を見せてくれたり「いつも楽しいクラスを考えてくれてありがとう」と言ってくれたりする、心優しく熱心な生徒に囲まれて常に刺激を受けていました。
Q2.プログラム全体を振り返っての感想をお聞かせください
日本を離れて過ごした9か月間は出会いと学びの連続でした。また、世界各国から集まる多様な人々との交流を通して、異文化を体感すると同時に世界から愛される日本の素晴らしさに気づかされました。
バックネル大学の教授、留学生、FLTA(外国語教育語学アシスタント)、旅先で会った現地の人々は、口をそろえて日本への憧れや、日本食やマナー、アニメなど日本文化に対する好意を語ってくれ、その度に日本に生まれたことを誇りに思いました。それとともに、海外では自分が日本について紹介をする立場であることを自覚し、自文化理解の重要性を痛感しました。さらに、バックネルの学生に対して日本語を教えるときには、助詞(主格の「は」・「が」)や敬語、使役+受動態の表現などにおける微妙なニュアンスの違いに関して、的確に説明することの難しさと日本語の奥深さを感じました。
今回のプログラムで得た学びや出会いを糧に、さらなる自己研鑽を続け、今後も日本文化の魅力を発信し続けていきたいと思います。日本を離れ、世界に目を向けることで初めて見えてくるものがあると感じました。この経験を通じて得た知見と広がった視野を大切にしていきます。また、プログラムで出会った友人や先生方、ホストファミリーとの出会いを大切に、今後も連絡を取り続けていきたいです。
Q3.これからの目標は?
将来は、バックネル大学でのTA経験と名市大での教職課程における学習を活かして、教師としての道に進むことを考えています。TA業務や秋学期に履修した教育心理学の授業を通して、学生とのコミュニケーション能力や実践的な教育方法を習得しました。それぞれ異なる背景や考え方を持つ学生たちと接する中で、臨機応変な対応や共感力の重要性を改めて学びました。
生徒たちが自己実現に向かう過程で失敗や挫折に直面することがあるかもしれませんが、それを乗り越える強さや成長への喜びを共有できるような存在でありたいと思っています。
新たなスタートラインに立った今、緊張もありますが、多様な価値観や個性を尊重し、生徒一人ひとりの可能性を引き出せるような教師になれるよう精進していきます。