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奨学金受給者の声


皆さまのご支援により本学の研究活動が支えられています。
こちらのページでは奨学金を受給している学生の感謝の気持ちをお伝えいたします。

田中亮学生奨励賞奨学金受給者の声

環境労働衛生学分野/大矢 奈穂子
(修士課程修了生)

私は現在修士課程に在籍しており、環境中の有害物質に関する研究に取り組んでいます。大学時代に、将来は人々の健康に貢献できるような研究者になりたいと思い、この大学院の修士課程、さらにその後の博士課程への進学を考えるようになりました。しかしそのような想いが強まると同時に、進学後の生活に対する不安も抱くようになりました。授業の内容についていくことができるのか、研究の成果を出すことができるのか、といった不安は、自分自身の熱意と努力で解決できるだろうと思っていましたが、金銭面への不安を拭い去ることはできませんでした。入学当初はわずかな時間を利用してアルバイトをしていましたが、研究を優先するようになるにつれて続けることが困難になり、更に不安を募らせるようになりました。

そのような中でこの奨学金を支給していただくことが決まりました。これは、進学に不安を抱いていた私の背中を押し、博士課程進学後も今以上に研究に熱心に取り組もうという気持ちにさせてくれました。日々の時間を研究に費やし、金銭的な余裕のない学生にとってこの奨学金制度は大変有意義なものだと思います。支給していただけることに心から感謝しております。

再生医学分野/松本 真実
(修士課程修了生)

私は現在、医学研究科修士課程2年に在籍しております。1年次と2年次に田中亮学生奨学金に採用されました。

修士2年間は生活のほとんどを研究に注ぎました。平日は朝から深夜まで、土日も含め、ほとんど毎日を研究室で過ごし、脳再生の研究を精進してまいりました。また、帰宅が深夜になることの方が多いため、大学の近くで一人暮らしをしております。

日本学生支援機構からの奨学金の貸与も受けておりますが、この奨学金だけでは、授業料を納め、一人暮らしをすることは困難でした。既に、私は大学院生という立場ですので、親からの援助ではなく、できる限り自身の力で解決したいと思っておりました。アルバイトをすることも考えましたが、その分、研究に支障が出ることは明白でした。しかし、そんな苦悩の中、本学の奨学金に採用され、奨学金の支給を受けることが出来ました。そのため、授業料を納めたうえで、一人暮らしをすることが可能となり、親への負担を軽減させることが出来、研究に没頭する生活を送ることが出来ました。

このように研究に没頭することが出来たことで、研究へのさらなる興味が高まり、現在は基礎の研究者を目指し、本学の博士課程への進学を希望しております。このように向上心を持つことが出来たのも奨学金をいただくことで、充実した大学院生生活を送ることが出来たからだと思います。当奨学金に採用していただき、心から深く御礼申し上げます。

分子毒性学分野/佐藤 圭悟
(修士課程修了生)

私は分子毒性学分野で天然物を基にした副作用の少ない新規抗がん剤について研究を行っています。日本においてがん患者数は年々増加しており化学療法として様々な抗がん剤が使用されています。ところがその副作用が問題となり、より副作用の少ない優れた抗がん剤の開発が求められています。

研究ではがん細胞や動物を用いて抗がん効果の評価、作用機序の解析などを行っています。時には思うようにいかず壁にぶつかることもありますが、私の関わった薬が将来多くの人の命を救うことを信じて乗り越えています。また、これらの研究成果を学会で発表する機会も頂いており、不安ながらも研究室の皆様のサポートを受けながら充実した研究生活を送っています。

大学・大学院の入学金や学費は安くはなく、家族の支援がなければ卒業することはできません。学ぶ意思のある人々が経済的理由によって大学に入れないことは望ましくありません。大学は勉強をする場所であり、研究に専念するためにも奨学金による支援は意義のあるものだと考えられます。

私は中学生の頃に父をがんで亡くしたことをきっかけに将来は医療に貢献したいと思い、名古屋市立大学大学院医学研究科へ入学しました。母子家庭でありながら大学、大学院への進学を応援・協力してくれた家族への負担を軽減することができ、奨学金を受給していただいたことに大変感謝しております。奨学金は参考書の購入や学会への参加費用にあてさせていただきました。

(匿名希望)
私は現在修士課程に在籍しており、大学時代は神経と血管の相互作用について研究を行ってきました。研究をする中で、その分野に対してより深く関心を持つようになり、突き詰めて研究することのできるラボのある名古屋市立大学の医学研究科に入りました。大学院生活は入学料や授業料などの出費が多いため、家計にとって負担になります。また、研究を始めると、毎日が忙しくなるため、アルバイトをする余裕もありません。研究のことで頭がいっぱいになると、経済的なことに気を使うのも苦痛になります。その状況で奨学金をいただけることは、研究生活を安心して送るうえで非常に助けになると思います。私も入学前は、経済的な事情を心配していろいろと悩んだことがありましたが、奨学金をいただいたおかげで、今は研究に専念することができています。私は修士課程を出た後、博士課程に進学する予定なのですが、医学研究科には、修士課程から博士課程まで奨学金の制度があるので、安心して将来の計画を立てることができています。奨学金は、経済的な援助になるだけではなく、精神的な安定を得るうえでも非常に重要です。奨学金をいただいていることに感謝し、これからも頑張っていこうと思います。

明石修三学生奨学金受給者の声

公衆衛生学分野/若林 諒三
私は大学卒業後、理学療法士として病院で勤務をしておりました。勤務先では臨床のみならず研究活動にも携わる経験をしたことから、研究の方法論について学びたいという思いが強くなり、本学修士課程に入学しました。修士課程では疫学研究の世界に触れ、様々な疾患や健康状態について、科学的に因果関係を考えることの重要性および、その奥深さを知ることができました。修士課程から引き続き、博士課程に進学しましたが、研究方法論についてより深く学び、質の高い論文を書くことを目標に研究に打ち込みたいと思っております。大学院で4年間の研究活動を行っていく上で、授業料や学会費、出張費等の金銭的負担は避けられず、将来への投資とは思いながらも、在学中は家計が苦しい状態となります。今回奨学金を給付していただけたことで、精神的に余裕をもつことができ、研究に集中する環境を整えていただけたと感じております。この機会を無駄にせず、質の高い研究成果を世に出すという形で恩返しできたらと思います。

公衆衛生学分野/辻村 尚子
大学卒業後しばらく時間がたち、日々の生活に追われる毎日で、疑問は生じても、その解決方法についてはあまり深く考えることなく過ごしていました。そこで、しばらく離れていた勉強を再開しようと考え大学院への進学を決めました。しかし、久しぶりの学習、研究で、十分な知識の習得に至らないまま、修士課程の2年間はあっという間に過ぎてしまいました。もう少し研究を続けたいと思っていたところに奨学金を受けることができ、博士課程へ進学をすることができました。医学研究手法について知りたいと思い進学しましたが、その中で疫学研究に出会い新たな視点を手に入れることができました。学習、研究ともに知れば知るほどその奥は深く、ゴールはなかなか見えません。その中にあり、学習、研究に打ち込むことのできる環境を整えてくれる奨学金は本当にありがたい存在でした。今は、初心を忘れず、最後まで研究を成し遂げたいと思っています。

(匿名希望)
大学院入学から受給させていただいています。母子家庭で家計が苦しく、働く時間もなく、学費や生活費を捻出する余裕がないため受けてきましたが、当奨学金は貸与ですけれど皆に教育の機会を与える素晴らしいシステムだと思います。お陰様で大学院に進学することができましたし、金銭的負担も減り研究に打ち込むことができています。

私は基礎医学研究の研究室に在籍しており、生命現象のメカニズムや、がんなどの疾患の治療法の発見に繋がるような生化学的事象を調べる為に、マウスやヒトの細胞などを用いてDNAやタンパク質を扱っています。上手くいかないことも多いですが、新しい発見が自分の手で見いだせるワクワクに魅了されながら、将来、自分の研究成果が患者さまの元に届くことを目標に日々実験をさせてもらい充実した毎日を送っています。卒業後は留学して研究を続けていくつもりです。

奨学金が無ければ収入はゼロで、働きながらできるような研究ではないので進学は諦めていました。やりたい事をさせて頂いているので、奨学金を給付して下さったことには感謝の気持ちでいっぱいです。この気持ちを忘れずに恩返しするつもりで社会貢献できるようにこれからも一生懸命やっていきます。

(匿名希望)
私は、修士課程に在学していた二年間、日本学生支援機構の第一種奨学生として奨学金を頂きながら研究生活を送っていました。大学院入学前は、研究生活がどれほど大変なものかも知らなかったため、アルバイトをすることを考えており奨学金をもらうつもりではありませんでした。しかし、周囲のアドバイスや家庭の事情を考慮し、奨学金に応募することになり奨学生として採用されました。毎月の奨学金のおかげで、私はアルバイトをする必要がなくなり、その分の時間を実験や勉強に当てる事ができました。その結果、私たちの研究グループは多くの方の手を借りながらではありますが、二年間の研究成果を一つの論文に仕上げることができました。日本学生支援機構の奨学金には返還免除制度があり、在学中に特に優れた業績をあげた者として機構が認定した場合に貸与終了後の返済が免除されます。私も業績が評価され返還免除となりました。一生懸命に取り組んできた事が評価されたこと、大変嬉しく思っています。

実験は一連の流れで操作するものや、数時間おきにサンプルを回収することがあります。実際に研究をしながらアルバイトをする時間を作ることはとても難しく、出来たとしても研究の進行にかなりの影響を与えます。修士課程は二年間という短い決められた時間の中で結果を出さなければなりません。時間の制約がある学生にとってはまさに「時は金なり」。奨学金によって研究に専念できたことに大変感謝しております。

(匿名希望)
大学院に入学したことをきっかけに奨学金制度を利用し始めました。

他学部から医学研究科へと、また全く異なる分野へ足を踏み入れ、一からの勉強、研究でしたので、アルバイトの時間を出来る限り減らし、多くの時間を研究生活に充てたいと考えていました。奨学金を受けることが出来たので、親への負担も少なく済み、自分の研究生活も充実したものになっています。

現在、私は注意欠陥多動性障害における発育期の環境をテーマに研究しています。

今まで、国内外問わず多くの学会に参加し、自分の発表や他の人たちの発表を通して、コミュニケーションを図り、様々な知識を吸収する機会を頂きました。また、このように多くの研究者との交流で得た知識や情報を研究室でさらに共有し議論するなど、研究へのモチベーションの維持を保ち、よい刺激となっています。

奨学金は、生活費や就学費などの金銭的な支援のみならず、それにより得た時間的また精神的な余裕が、研究に打ち込むにあたって非常に心強い支えとなっていることを感じています。これからも、感謝を忘れず、奨学生としての責任を持って、社会に貢献できるように成果を残していきたいと思っています。

川久保学生奨学金受給者の声

再生医学分野/澤田 雅人
私は本学大学院医学研究科博士課程に入学して以来、再生医学分野(澤本和延教授)で「成体脳のニューロン新生」に関する研究を進めています。大学院時代には、成体脳で感覚入力依存的にニューロンが再生するしくみについて研究を行い、学位を取得しました。

基礎系教室に所属する博士課程大学院生の多くは、経済的に厳しい状況で学位を目指します。大学院博士課程は研究者になるためのトレーニング期間であり、多くの時間を研究活動に割く必要があります。私の場合も、一週間のほとんどを研究活動に費やし、アルバイトの時間を割くことは困難でした。しかし、私が博士課程に入学して以来、基礎系の大学院生をサポートする奨学金が相次いで設立され、川久保学生奨学金(設立当初は医学部MD-PhD学生だけでなく基礎系の博士課程大学院生にも受給資格がありました)を受給させて頂くことができました。この奨学金のおかげで一層研究活動に専念できるようになり、学位取得時には医学研究科最優秀論文賞を頂きました。

本学出身の基礎系研究者を育てて研究を発展させるためには、奨学金制度の発展が必要不可欠です。私は現在、将来の医学の発展につながるような独創的な研究成果を世界に発信できるよう、日々研究に邁進しています。最後になりましたが、私の研究者としての修学期間を支えて下さった川久保学生奨学金および川久保己代子様に、この場を借りて厚く感謝申し上げます。

脳神経生理学分野/西垣 瑠里子
はじめまして。大学院1年目でMD-PhD在籍中の西垣瑠里子と申します。

私は、研修医1年目であった昨年夏に大学院を受験し今年大学院に入学しました。

MD-PhDコースは大学時代に基礎系教室で研究の一端を学び、卒後3,4年目に再度大学に戻り研究をする制度です。5年ほど前に発足したもので、在籍する私たちは川久保奨学金をいただいております。

卒後早期の大学院生活であり、通常の臨床研究医とは異なり基礎系研究室で昼夜を過ごす毎日になりそうです。その中で、奨学金を出していただけるのは本当に有難きことです。

現在、私は研修医の傍ら大学院授業に出席するという生活を送っており、来年度以降の学び・研究に意欲を湧かせています。脳神経生理学に所属し、オリゴデンドロサイトの分化誘導と移植の研究に携わりたいと考えています。これからも夢の実現に向けて努力することを約束するとともに、奨学金で学ばせていただいていること、そして仲間に入れてくださる研究室の方々に感謝いたします。


(匿名希望)
私は当大学大学院の脳神経生理学教室に在籍しております。主に早産児で見られる脳障害について研究を行っております。具体的には、障害のモデル動物を作製して、行動実験で障害の程度を評価しました。また、運動を司る神経の、電気の伝わり方を評価することで、障害の原因を探りました。お陰様で、論文として報告できるだけのデータが揃いつつありますが、日々研究の奥深さ、そして苦悩の一端を、今まさにこの身で感じている次第です。

実験室では実際に私が手を動かしておりますが、大学院という場所で、私はまだ学生です。これまでに、実験手法や得られたデータの考え方から、リサーチの方法、そして次の展望へのアイデアに至るまで、様々なことを勉強してきました。しかし、研究に打ち込めば打ち込むほど、それ以外の時間が削られていき、経済面でも苦労を強いられます。この度頂いた奨学金は授業料に充てさせていただきました。こうした面からお力添えいただけることは、本当に有り難いことと思います。謹んでお礼を申し上げます。

奨学金を頂戴するにあたりまして、それを超えた「思い」をも頂いた気持ちです。これからもこの思いを無にすることのないように、医療の発展に少しでも貢献できるように、力を尽くしてまいりたいと存じます。心から感謝申し上げます。

(匿名希望)
現在私は川久保奨学金というものを受給させていただいております。これは、川久保己代子さんという方が、「医学研究者の人材育成に役立てていただきたい」との趣旨で寄付をしていただいたことから生まれたものです。概略としては、 MD-PhDコース博士課程の大学院生の各学年から2名を対象に入学金と授業料の同額の奨学金を授与する。MD-PhDコース医学部学生の5名を対象に1名につき10万円を授与する。基礎医学系分野所属の大学院学生の各学年から1名を対象に、授業料と同額の奨学金を授与する。といったものです。

研究を志す学生にとって、同期が社会人として自立して生活していく中、自身の収入がない状態で授業料を払っていくというのは大変な障害になります。また、研究に対して十分に時間を使いたいのに、生活費等々の為に時間を奪われてしまうことはとても悔しいことと思います。そのため、これらの奨学金をいただけ、少なくとも授業料のことを考えずに、研究に没頭できる環境を与えていただけますことに対して、とても感謝しております。