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2023年 第1期「今、知りたい、子どもたちのための最先端の医療 ~名市大病院群の最新の小児医療~」


最新医学講座 オープンカレッジ 2023年 第1期のご案内
  • [開講日時] 令和5年5月19日(金)~令和5年7月7日(金) 毎週金曜日18:30~20:00
  • [応募受付期間] 令和5年4月10日(月)~令和5年4月28日(金)
  • [選考結果] 令和5年5月10日(水)
  • [コーディネーター]名古屋市立大学大学院医学研究科 小児泌尿器科学分野 教授 林祐太郎
 わが国の子ども(15歳未満)の人口は、2022年4月1日現在で1,465万人で、1982年以降41年連続で減少しています。少ない子どもを大切に育てたいというニーズが高まる一方、小児救急医療の問題や地域偏在による医師不足は解消に向かっていません。わが国は安心して子どもを育てていける社会なのか、医療がかかえる課題は多岐にわたります。
 そこで今回のオープンカレッジでは、名市大病院群で小児医療を最前線で担っている各科の医師のなかから、心臓、神経、アレルギー、内分泌、消化器、泌尿器の専門医が、それぞれの領域の最先端の小児医療をお示しします。さらに名市大病院でわが国で初めて成功したロボット手術の紹介、さらに少子化のなかでの生殖補助医療を紹介します。

●第1回 5月19日 (金)

小児の尿失禁と夜尿症

名古屋市立大学医学部附属東部医療センター 泌尿器科 丸山哲史
本講座では子どもの尿失禁と夜尿への注意点と標準治療について解説します。子どもの尿失禁では尿路感染の原因となる疾患が隠れている場合があります。トイレには普通に行くけれど絶えず尿が漏れているような尿失禁では尿管の走行に異常があるのかもしれません。夜尿は自然現象とも言えますが、学童期になると本人や保護者にとっては大きなストレスとなります。このような夜尿には対してはガイドラインに基づいた薬物治療法があります。昼間の尿失禁を伴う夜尿症は長引くことが多く、お漏らしや排便障害を改善することから開始することが大切です。

●第2回 5月26日 (金)

子どもの外科

名古屋市立大学病院 小児外科 高木大輔
小児外科は16歳未満の小児を対象とする外科であり、一般的には成人の消化器・一般外科に相当する領域を担当していますが、施設によって、呼吸器、泌尿器科、産婦人科疾患など他の診療科との境界領域も幅広く取り扱っています。また対象となる患者さんはペットボトル1 本分の重さに満たない超低出生体重児から成人の体格に匹敵する思春期年齢のお子さんまでと非常に多様です。このようなバラエティに富んだ小児外科の世界について、身近な疾患やちょっと珍しい疾患など、最近の知見を交えてわかりやすくお話します。

●第3回 6月2日 (金)

子どもの食物アレルギーの過去・現在・未来

名古屋市立大学医学部附属東部医療センター 小児科 谷田寿志
鶏卵、牛乳、小麦アレルギーの診療は、「除去をして治るのを待つ時代」から「可能量を食べ早期に治す時代」に大きく変化しました。一方で、これらのアレルギーが治らない、ナッツアレルギーの増加など、お困りのお子様がたくさんいらっしゃり、課題は山積みです。講義では、「過去から最新の研究成果と課題」「診療現場の最前線」「一般向けの耳寄り情報」などをお話させて頂きます。ご聴講頂く皆様の「学びたいというお気持ちと疑問」にしっかりお応えしながら、「目指すべき未来」を一緒に考えていければと思っています。

●第4回 6月9日 (金)

小児を救う最先端のロボット手術

名古屋市立大学病院 小児泌尿器科 水野健太郎
近年の技術革新によって、小児患者へも手術支援ロボットを用いた治療が行われるようになってきました。ロボット手術では、高解像度の3Dカメラ・繊細な作業のできるロボットアーム・手ぶれ防止機構など、従来の手術とは異なる利点があります。私たちは小児に対するロボット手術をいち早く導入し、膀胱尿管逆流に対する手術を日本で初めて行いました。また、2020年4月から水腎症のロボット手術が保険収載となるなど、小児に対するロボット手術は広がりを見せています。小児泌尿器科疾患に対するロボット手術の現況と今後についてお話しする予定です。

●第5回 6月16日 (金)

小児神経疾患の診療

名古屋市立大学医学部附属東部医療センター 小児科 服部文子
小児神経外来では、てんかん、神経筋疾患、染色体異常症など多彩な疾患の診療をしています。20年前には「治療がない」と言われていた疾患に治療法が出てきたり、遺伝子解析技術の進歩により診断できる疾患が増えてきたり、小児神経疾患の診療は進歩し続けています。今回は、比較的身近に経験するてんかん診療の実際、難病である神経筋疾患診療の進歩についてお話しさせていただきます。重症度も様々、障害もあったりなかったり、小児神経科医が応援しているお子様たちについてご理解を深めていただければと思います。

●第6回 6月23日 (金)

低身長と肥満の診療の実際

名古屋市立大学病院 小児科 青山幸平
小児内分泌外来で最も多い主訴は低身長です。成長ホルモン分泌不全性低身長症、出生時から在胎週数に比較して小柄であるSGA性低身長症など、成長ホルモン治療が適応となる低身長症を適切に診断し治療を行います。また成人身長には思春期発来のタイミングが重要で、思春期が早いと最終身長が小柄になりやすいため、思春期が早い場合には思春期抑制療法を行う場合があります。肥満診療においては、脂肪肝や2型糖尿病を小児期から合併することも珍しくありません。低身長と肥満の実臨床をもとに、子どもたちの健やかな成長のために大切なことをお話させて頂きます。

●第7回 6月30日 (金)

小児心臓外科治療の現状と展開

名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院 病院長 浅野實樹
外科治療の発達と内科管理の向上により生まれながらに心臓病を有する先天性心疾患(CHD)児の95%以上が成人期に達する時代となりました。特に単心室(本来2 つ必要なポンプが1つだけの心臓)や重症心不全に対する先進的治療は大きな貢献をしています。また15歳以上のCHDである成人先天性心疾患(ACHD)は我が国では既に50万人を超えており循環器疾患の一領域を構成しています。本講では複雑な病態を有するCHD治療と飛躍的に患者数が増大し診療内容が高度となってきたACHDに関する現状、並びにハイブリッドな移植医療を含めた先進的治療の深化を概説させて頂きます。

●第8回 7月7日 (金)

少子化のなかの生殖補助医療 ─思春期からできる不妊症予防─

名古屋市立大学医学部附属西部医療センター 泌尿器科 梅本幸裕
令和4 年の1 年間に生まれた子どもは速報値で80万人を下回るといわれております。第一次ベビーブームで産まれたお子さんは年間270万人と、この70年余りの間に出生数は1/3以下にまで落ち込んでいます。この超少子化時代に少しでも不妊症の予防ができるなら、それが結婚前の思春期に行う必要があるとしたら。不妊症の原因はおよそ半分が男性側といわれております。思春期に不妊症の原因になる病態を把握し、治療をすることがどれほど重要であるか。保護者である大人が知っておくべきお話です。