2023年 第2期「リハビリテーションの最前線」
最新医学講座 オープンカレッジ 2023年 第2期のご案内
- [開講日時] 令和5年8月25日(金)~令和5年10月13日(金) 毎週金曜日18:30~20:00
- [応募受付期間] 令和5年7月17日(月)~令和5年8月4日(金)
- [選考結果] 令和5年8月16日(水)
- [コーディネーター]名古屋市立大学大学院医学研究科 リハビリテーション医学分野 教授 植木美乃
現代社会が成熟していくに伴いリハビリテーション科の果たす役割は益々重要となっている。
リハビリテーションは「機能」「活動」「障害」に根ざしており、整形外科疾患、脳神経疾患に限定されず呼吸器・循環器などの内部障害、がん、周術期等、様々な疾患やフェーズを対象としている。さらに、超高齢化社会の病前状態としてのロコモティブシンドロームやサルコペニア等の予防に対する意義も大きい。
本講座では昨今のリハビリテーション医療の移り変わりと地域に根差したリハビリテーション医療の重要性をお話ししたい。
リハビリテーションは「機能」「活動」「障害」に根ざしており、整形外科疾患、脳神経疾患に限定されず呼吸器・循環器などの内部障害、がん、周術期等、様々な疾患やフェーズを対象としている。さらに、超高齢化社会の病前状態としてのロコモティブシンドロームやサルコペニア等の予防に対する意義も大きい。
本講座では昨今のリハビリテーション医療の移り変わりと地域に根差したリハビリテーション医療の重要性をお話ししたい。
●第1回 8月25日 (金)
加齢による運動機能低下の最前線
名古屋市立大学大学院 医学研究科 野嶌一平
加齢により運動機能が低下することは自明です。一方で近年、筋肉の量が減少することで筋力や身体の機能が低下するサルコペニアや、加齢に伴う身体機能の予備能力が低下することで健康障害を起こしやくなるフレイルといった状態が提唱され、国際的にも加齢による身体機能変化が注目されています。本講義では、運動機能が低下する要因を広く紹介するとともに、現在のご自身の運動機能レベルの簡便なチェック方法、自宅でできる運動などを紹介したいと思います。
●第2回 9月1日 (金)
手外科リハビリテーションの最前線と再生医療
名古屋市立大学病院 医学研究科リハビリテーション医学分野 岡本秀貴
「手」について、手外科(テノゲカ)でよく遭遇する疾患(手根管症候群、手指変形性関節症、腱鞘炎)、手外科術後の早期リハビリテーションの最前線、手外科における再生医療(爪の再生、末梢神経の再生)などを手外科専門医・リハビリテーション科専門医が分かりやすく講演します。
●第3回 9月8日 (金)
摂食嚥下リハビリテーション ー口から食べられる様にー
名古屋市立大学医学部附属東部医療センター リハビリテーション科 青山公紀
現在日本では高齢化が進んでいますが、「嚥下障害パンデミック」という言葉が用いられる程、飲み込みに困難を抱えておられる方が増えておられます。そのため飲み込みにくさへの対策は極めて重要になってきていると考えます。ただ飲み込みにくさの原因となるものはいくつもあり、その治療に難渋することも珍しくありません。そこで飲み込みの仕組みと飲み込みにくさが生じる概要をお話しさせて頂くとともに、自宅でもできるリハビリテーションを知って頂く事で、口から食べられる生活を長く続けられる一助になればと考えております。
●第4回 9月15日 (金)
小児リハビリテーションの最前線
名古屋市立大学大学院 医学研究科リハビリテーション医学分野 村上里奈
小児リハビリテーションは、出生直後の呼吸障害の対応から始まり、早期産、低出生体重、脳性麻痺、遺伝子疾患などさまざまな原因で発達が遅れている子どもさんへの発達支援を、医療、福祉、地域と連携して行っていきます。名古屋市では、地域療育センターを中心に、精神発達遅滞、運動発達遅滞の両面で、リハビリテーションを必要とする子どもさんと家族をサポートしています。また、名古屋市立大学も治験に参加した小児用装着型ロボットリハビリテーションについてもお話させて頂きます。
●第5回 9月22日 (金)
脳卒中のリハビリテーション
名古屋市立大学病院 リハビリテーション科 堀場充哉
脳卒中のリハビリテーションは、脳の興奮性の調節やネットワークの変化を利用するためのさまざまなアプローチが行われるようになっています。磁気刺激や電気刺激療法といった非侵襲的な野の刺激手法、また鏡やヴァーチャル・リアリティといったイメージを用いたリハビリテーションなど紹介いたします。
●第6回 9月29日 (金)
抑うつに対する運動療法や呼吸法の効果について
名古屋女子大学 医療科学部理学療法学科 石田和人
昔から、「健全な精神は健全な肉体に宿る」といいますが、最新の医学は、適切な運動、呼吸法、食事など、日常生活の中に取り入れて行うことのできる健康づくりこそが、身体機能のみならず、心の問題に対しても効果的であることを証明しつつあります。本講義では、心の問題(抑うつ)に対して、運動療法や呼吸法の効果について概説し、近年話題になっている腸内細菌にもフォーカスをあて、脳腸相関の観点から、心の問題に対して、リハビリテーションこそが重要であるということをお話しさせて頂きます。
●第7回 10月6日 (金)
前庭リハビリテーション
名古屋市立大学病院 リハビリテーション科 浅井勇人
前庭リハビリテーションは末梢の前庭機能の低下によるめまい、平衡感覚の障害に対してめまいの改善、日常生活動作の改善等を目的に行われます。今回は、すぐにでも実践できる前庭リハビリテーションの方法やスポーツ場面での応用について紹介いたします。
●第8回 10月13日 (金)
脳疾患とリハビリテーション医療
名古屋市立大学医学部附属みらい光生病院 リハビリテーション科 植木美乃
脳血管障害、パーキンソン病などの脳疾患は、超高齢社会において罹患患者数は増加している。薬物療法等の発展に伴い、患者の生命予後は改善している。一方で、脳血管障害では片麻痺等の後遺症が残存することがあり、機能回復に寄与するためのリハビリテーションや的確な予後予測を行い活動につなげていく事が重要である。本講演では今後も罹患数の増加が見込まれる脳疾患のリハビリテーション医療について述べさせていただく。