薬化学
スタッフ
中川 秀彦
[教授]
川口 充康
[講師]
家田 直弥
[講師]
教育・研究
- 分子設計に基づく医薬品候補化合物の設計・合成と機能解析・評価
- 化学的手法に基づく生物活性物質の探索・機能解析法の開発
- 活性酸素種・一酸化窒素の生物有機化学
- 光化学と有機化学に基づく細胞制御物質の開発
研究概要
有機化学を基盤として意図した薬効を発現する有機化合物の創造「創薬」に取り組むのが創薬化学・医薬品化学です。私たちは、有機合成化学・反応化学・生物科学・計算化学などの幅広い知識を活用し創薬化学・医薬品化学研究に取り組み、新しい生理活性物質の合成と作用機構の解明を行っています。光誘導性一酸化窒素供与剤、HNO供与剤、パーオキシナイトライト供与剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、の創製や、抗プリオン活性化合物、活性酸素消去化合物などの創製に取り組んでいます。次に2つの例を示します。
(1)光制御型+一酸化窒素ドナーの開発
血管弛緩、神経伝達、免疫機構などに重要な役割を果たすフリーラジカル、一酸化窒素(化学式NO)の発生を光によって制御する化合物を開発しました。ニトロベンゼン誘導体の紫外線照射による特徴的な異性化反応をヒントに、生体応用のための改良を有機化学的手法で行って、全く新しいタイプの一酸化窒素放出化合物を創りました。培養細胞に応用すると、この化合物は、光に応じて一酸化窒素によるがん細胞抑制効果を発揮することが分かりました。
この他の最新の研究については分野のWebサイトを参照してください。
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図1 光照射によって生理活性物質の1種である
一酸化窒素(NOラジカル)を放出する化合物の分子モデル
(2)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の開発
遺伝子の転写制御に関与する重要な核内蛋白質であるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)は酵素活性中心に亜鉛をもつ酵素ですが、私たちは、亜鉛に配位する官能基をもつ化合物をコンピュータシミュレーションで設計し、実際に合成して効果を確認するという方法で、強力な活性を持つHDAC阻害剤を開発しました。さらに細胞に吸収されてから効果を発揮するよう有機化学的手法で誘導化することで、実際に培養ヒトがん細胞の増殖を抑制する効果があることを確かめました。HDACの阻害剤は癌細胞の増殖に影響を与えることが知られており、既存の抗癌剤とは異なる作用機構を持つ抗癌剤の開発が期待できます。
図2 ヒストン脱メチル化酵素の1種と私たちの開発した化合物のドッキングモデル
連絡先
〒467-8603 名古屋市瑞穂区田辺通3-1
名古屋市立大学 大学院薬学研究科 創薬生命科学専攻
薬化学分野
E-mail:yakka<at>phar.nagoya.cu.ac.jp
TEL&FAX:052-836-3407
薬学研究科広報委員会
名古屋市立大学 大学院薬学研究科 創薬生命科学専攻
薬化学分野
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