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研究・産学官連携・社会貢献


ライフサイエンス


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ナノテクノロジーを用いた新規がん温熱 治療の開発

2020年12月9日
キーワード 前立腺癌、温熱治療、ロボット
研究概要 N極とS極が交互に交代する交番磁場照射により発熱する磁性ナノ粒子を腫瘍組織に注入し、磁場照射により腫瘍組織のみ45°C以上に上昇する磁場誘導組織内加温法を開発しました。この技術を用いることでラット前立腺がん皮下移植モデルでの抗腫瘍効果、ヒト前立腺がん細胞株の腫瘍完全退縮、さらにラット前立腺がん頭頂骨浸潤モデル、大腿骨転移モデルにおける、強い腫瘍免疫活性の誘導を名古屋大学名誉教授小林猛先生らと共に明らかにしました。
特徴と強み 磁性ナノ粒子の局所注入においては本学附属病院のIRBの審査を受け、臨床試験を実施しました。磁性ナノ粒子の局所注入以外に、磁性ナノ粒子への抗体結合、IVR手技による転移巣への注入、内包させた抗がん剤放出などの修飾が可能です。これら技術を組み合わせ、あらゆる癌腫の原発巣、転移巣の治療の開発を目指します。現在、製薬企業との共同研究を進めています。今後も積極的に新しいがん治療の開発を行いたいと考えています。
企業等への提案 ナノテクノロジーを用いた新規がん温熱治療は、臨床試験の結果からも証明されているように、副作用がなく、繰り返し実施できるという利点があります。癌腫や転移様式に関わらず、広く応用できると考えています。
所属 医学研究科 腎・泌尿器科学分野
補職 准教授
氏名 河合 憲康

光や酸化還元などの刺激によりペプチドを活性化させる新手法

2020年12月9日
キーワード ペプチド、ポリアミン、分子プローブ
研究概要 光刺激や酸化還元、酵素反応などに応答して活性を発現するペプチドは、重要な化学プローブです。我々は、刺激応答性リンカーによってペプチドのN末端とC末端側を架橋した環状ペプチドを開発しました。
ペプチドが活性をもつには、一般に、活性官能基が適切な立体配置を取る必要があるため、リンカーによって架橋したペプチドは不活性となります。環状ペプチドとすることで、ペプチド創薬において課題となる生体内安定性向上・副作用低減も期待されており、環状化することでプロテアーゼに対する安定性が向上することを確認しています。リンカー由来の構造がペプチド上に残ると直鎖ペプチドの活性が低下するため、最近では、切断後にペプチド上から完全に脱離する"traceless"型リンカーを用いています。
特徴と強み 環状化による細胞膜透過性の変化を検討し、細胞内標的に作用するペプチドの開発をめざします。
生体内では不安定なペプチドを環状にすることで、活性のコントロールに加え、生体内安定性と細胞膜透過性の向上をねらっています。将来的には、ペプチド創薬への応用をめざしています。
所属 薬学研究科 精密有機反応学分野
補職 准教授
氏名 梅澤 直樹

脂肪酸をリードとする抗がん物質

2020年12月9日
キーワード 抗がん物質/作用・毒性評価/大腸がん
研究概要 蜂産品に含まれる天然脂肪酸を初期リードとして抗がん物質を創製した。大腸がんを治療ターゲットとし、細胞株に対する増殖抑制効果を指標にスクリーニングし有望な抗がん物質の特許取得に成功した(関連する特許(1)~(3))。動物試験(毒性評価、腫瘍縮小効果、大腸発がんプロモーション抑制)、標的分子・作用機序(転写因子抑制、血管新生抑制、細胞死誘導)を明らかにした。
特徴と強み 非臨床試験完了後に製薬企業に技術移転。
抗がん活性に優れ毒性の少ない、がんの治療・予防薬、再発抑制薬として有用性が期待されます。
所属 医学研究科 分子毒性学分野
補職 教授
氏名 酒々井 眞澄

「人間工学に配慮した握りやすいグリップ」の開発

2020年12月9日
キーワード 人間工学、生体信号処理、動作解析、ユニバーサルデザイン、ラピッドプロトタイピング
研究概要 人間工学研究の知見に基づき、使いやすさ、身体負担の低減、作業成績向上に配慮したグリップの研究に取り組んでおり、これまでに 以下の三つの技術を開発してきました。
  • 手のサイズを親指と人差し指の握り径で定義し、握り径に対するグリップのサイズ展開
  • 握り形状の収集とラピッドプロトタイピング手法を組み合わせることによる、握り易いグリップ形状の開発とオーダーメードグリップの作成
  • 滑り易さと筋負担を低減したグリップ表面の微細加工の方法
特徴と強み
  • 本開発は具体的な製品対象ではなく、手のサイズと握り易いグリップ径との関係、微細凹凸加工の深さや形状の定量値と握り易さや筋負担低減との関係など、製品を限定せず汎用的な定量値を根拠としたグリップです。
  • 握り易いと感じるグリップの形状を立体データとして採取し、それを3Dデータとして合成することで、標準形状を作成した例は今までにありません。
  • 握り易いグリップ形状を型採りし、それに対して形状の3Dデータ化、3DCADでの合成(合成方法も含めて)、3Dプリンタによるグリップの制作というラピッドプロトタイピングの手法でオーダーメードグリップを作成する手法を採用しています。
企業等への提案 日用品、家電、福祉機器、スポーツ用品など、製品は限定しないが、製造企業と共同で、具体的な製品を対象として、その製品に合わせた方法で、共同開発を行うことを希望します。6か月から1年間程度の共同開発期間を得て製品化を行う予定です。
所属 芸術工学研究科 情報環境デザイン領域
補職 教授
氏名 横山 清子

難治性の痛みを緩和するための治療法の開発

2020年12月9日
キーワード 視床下部、自律神経、神経系細胞
研究概要 慢性的な痛みは、生活の質を著しく悪化する。また、現在の治療法に対し抵抗性を示す難治性の痛みも多くみられ、その緩和法の開発は喫緊の課題です。我々は、現存の鎮痛薬に抵抗性を示す神経損傷による痛みモデルを開発し、難治性の痛みを緩和する化合物の探索を行っています。
また、本モデルを用いて、痛みが難治化するメカニズムについて、中枢神経系の機能変化に焦点を絞って、検討を行っています。
特徴と強み 神経障害や糖尿病、がんなどで感じる治療が困難な痛みを改善するため、不必要な痛みが必要な痛みと同じ神経回路で認知されるのかを解明します。また、体の中にある強力な痛み抑制回路であるオピオイド神経系による疼痛制御メカニズムを明らかにし、難治性疼痛の緩和を可能にする薬物や治療法に応用します。
痛みは生命に迫る危機を脳へ知らせる警告信号で、本来は生物の生存のために必須の反応です。ところが、脳が危険を認知した後にも持続する痛みは不快であり、その緩和は慢性的な痛みに悩む人達に福音となります。
多くの人を苦しめている疼痛を完全に制圧できる日が来ることを夢見て、慢性疼痛を感じる脳内メカニズムの解明を続けていきたいと思っています。
所属 薬学研究科 神経薬理学分野
補職 准教授
氏名 大澤 匡弘

去勢抵抗性前立腺癌の治療

2020年12月9日
キーワード 去勢抵抗性前立腺癌、アンドロゲンレセプター
研究概要 前立腺癌にはアンドロゲンを遮断するホルモン療法が効果的ですが、一部は治療に耐性を示す、悪性度が高い去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に進行します。本研究では、フラボノイドの一種であるルテオリンがmiR-8080を誘導し、CRPCの治療耐性と関連するandrogen receptor (AR)のスプライスバリアントAR-V7を抑制することでCRPCの増殖や治療耐性を抑制することを解明しました。ルテオリンやmiR-8080はCRPCの治療に役立つ可能性があります。
企業等への提案 ルテオリンは、正常ARを抑制するmiRNAsを多く誘導することがわかっており、miR-8080と組み合わせたCPRCの治療法開発を目指します。

CPRCの治療耐性を改善しうる分子標的と考えられます。薬剤を癌細胞に効率的に輸送するためのドラッグデリバリーシステムを導入したいと考えています。
所属 医学研究科 実験病態病理学分野
補職 准教授
氏名 内木 綾

ゲイバイセクシュアル男性を対象とした HIV予防の推進

2020年12月9日
キーワード HIV感染症の予防、健康行動学、ヘルスプロモーション
研究概要 HIV感染症の予防、セクシュアルヘルスをテーマに研究しています。集団レベルでHIVの予防を推進するためには、感染リスクが高いポピュレーションを見極め、その対象者に効果的な予防介入を継続的に実施することが重要です。 日本では、ゲイ・バイセクシュアル男性におけるHIV/AIDS感染拡大が最も深刻であり、彼らへのコミュニティベースの予防プログラムの立案、実施、評価に資する研究を当事者、NGO、行政、医療専門家、研究者のパートナーシップのもと行ってきました。
平成28-30年度の厚生労働省エイズ対策政策研究事業では、乾燥血液スポット法(指先にランセット針を刺して取った血液をろ紙にしみこませ検査機関に送り、スクリーニング結果をWEBで確認する検査手法)を用いたコミュニティベースでのHIV検査機会の拡大を行います。
特徴と強み 通常の保健医療サービスが届きにくいマイノリティ集団にいかにアクセスし、必要なサービスを提供していくかは大変難しい課題です。
エイズ分野では、当事者、NGOが大きな力を発揮し、感染拡大の抑制に貢献してきました。この成果を目に見える形で残せるような、予防対策に資することができるような研究が必要だと考えています。
企業等への提案 エイズ予防の研究や取り組みにおいては、研究者、NGOや行政、医療、ボランティアの協働が鍵となります。
研究においても、メンバーそれぞれの専門や能力を最大限に発揮できるチーム作りを重視しています。
所属 看護学研究科 国際保健看護学
補職 准教授
氏名 金子 典代

骨格筋の恒常性を調節する分子メカニズムの解明と応用

2020年12月9日
キーワード 骨格筋、マイオカイン、身体運動、筋収縮、生活習慣病
研究概要 身体運動は生活習慣病や加齢性疾患の発症を防ぐことから、この分子メカニズムを解明し健康獲得に応用することは、健康寿命の延伸や医療費削減の観点から重要な課題です。私たちは、身体運動などの筋収縮により変動する骨格筋由来の内分泌因子(マイオカイン)とマイオカインの分泌を調節する情報伝達経路を網羅的に解析し、生活習慣病や加齢性疾患の発症予防や軽減に貢献する分子メカニズムの解明と健康増進への応用を目指しています。
特徴と強み 骨格筋は、日常生活などを支える「運動器」であり、またマイオカインを分泌する「臓器」でもあります。身体運動などの筋収縮が骨格筋の恒常性を調節するメカニズムを分子レベルから解明し社会に貢献したいと考えています。
今後の展望としては、身体運動や筋収縮により変動する疾患の予防や軽減に貢献する因子や情報伝達経路を解明し、創薬、サプリメントの作成や効果的な運動プログラムの開発などへの応用を目指しています。
所属 理学研究科 理学情報専攻
補職 講師
氏名 奥津 光晴

ナノテクノロジーと光を駆使した新しい技術のデザインと実用化

2020年12月9日
キーワード レーザ、光、電磁波、半導体、ナノ材料、量子ビーム
研究概要 現代は,光を創成する時代から光を自由自在に操作する時代に変貌を遂げようとしております。ナノテクノロジーを駆使したメタマテリアル等に代表される人工光制御材料の出現は,今まで光を用いては不可能と思われて来た様々な技術,例えば"透明マント"及び"原子観察可能な光学顕微鏡"の実現を可能とする段階にまで来ており,人類の光に対する接し方に変革を迫っております。芸術工学研究科松本研究室では,光とナノテクノロジーを組み合わせることによって,従来は不可能と思われていた新技術の創出を目指して研究開発をおこなっております。具体的な研究テーマとしては,(1)深紫外レーザ・LEDを用いた新しい殺菌技術の開発,(2)ナノ材料を用いた超光反射・吸収技術の研究,(3)0次元量子材料を用いた同位体濃縮技術の研究,等をおこなっており,これらのシーズ技術を産学連携によって実用化レベルにまで高めて参りたいと思っております。
特徴と強み 今後は、研究室所有の技術ならびに情報を出発点として、各企業において展開可能な新しい応用について具体的にアイデアを出し合い、共同で特許出願を図るようなイメージで仕事を進めていきたいと考えております。
ナノ材料と光技術を組み合わせることによって、将来の社会に必要な多くの技術を創出することができます。まずは、日常の技術的問題についても気兼ねなく相談して頂ければ、と思っております。
所属 芸術工学研究科 産業イノベーションデザイン領域
補職 教授
氏名 松本貴裕

尿路結石に対する分子治療標的の発見と新規治療薬への応用

2020年12月9日
キーワード 尿路結石症、マクロファージ
研究概要 尿路結石は、食生活の欧米化を背景に近年急激に増加し、約10名に1名が発生する国民病となりましたが、有効な治療薬は存在しません。私たちは尿路結石は「遺伝因子」が関与する疾患であると捉え、その形成機序において、(1)腎尿細管細胞のミトコンドリア傷害 (2)結石マトリックス蛋白オステオポンチン (3)脂肪細胞からのアディポサイトカイン (4)マクロファージによる炎症と結晶の貪食 (5)骨粗鬆症の進行による高カルシウム尿などの因子を発見し、臨床応用の可能性がある標的分子を複数同定してきました。
特徴と強み 尿路結石の形成機序に着目した私たちの研究シーズの多くは、当初動物モデルより発見されましたが、近年臨床研究によってその全ての機序がヒトの結石形成過程でも生じていることを報告しました。
現在、それらの機序に基づき、
  • 尿中分子マーカーを用いた結石リスク診断法の開発
  • iPS細胞を用いた結石溶解療法の開発
  • 宇宙空間での骨粗鬆症・尿路結石予防薬の開発
を行っています。
現在、尿路結石の予防治療法は飲水のみであり、その原因精査も尿生化学のみに依存しています。
分子機序に基づいたリスク診断・予防治療創薬は、尿路結石治療のありかたを大きく変えるだけでなく、歴史的な挑戦と考えています。
所属 医学研究科 腎・泌尿器科学分野
補職 准教授
氏名 岡田 淳志

名古屋市の魅力を取り戻すための東山動物園のオランウータン繁殖計画へのヒト生殖医療の応用

2020年12月9日
キーワード 生殖免疫学、不育症、プロテアーゼ、学びなおし
研究概要 ヒトと同様の婦人科内診所見をボルネオオランウータンに応用し、発情時の子宮および卵巣に関する情報を収集した。超音波診断から、卵胞期の子宮内膜および卵胞のサイズは発情ホルモン濃度と相関して変化していることが明らかとなった。また、排卵誘発剤は、卵胞サイズが22.3 mmの時にのみ効果が得られた。ヒトの排卵前最大卵胞サイズは20 mm程度と言われている。よって、オランウータンも同様の卵胞サイズを持つことが考えられた。
特徴と強み 本研究をさらに推進することでヒト生殖医療をオランウータンに応用することにより、全世界の動物園飼育下のオランウータンのみならず動物園の大型類人猿の人工繁殖計画に寄与することを目的とする。
現代の医学や医療は数多くの貴重な動物の命の犠牲のもとに発展して来た。追悼と感謝の気持ちと共に彼らにヒューマンサイエンスを還元すること("Human Feedback")が本研究のメインコンセプトである。
所属 医学研究科 高度医療教育研究センター
補職 教授
氏名 尾崎 康彦

間質性肺炎モデルマウスを用いた 創薬研究

2020年12月9日
キーワード 免疫、関節リウマチ、間質性肺炎
研究概要 間質性肺炎発症の原因は特定されておらず、ステロイド、抗線維化薬による治療には限界があるため、より有効な治療薬開発が待たれている。またコロナウイルスの世界的な流行により、そのニーズはより高いものとなった。本研究は、創薬を進めるうえで大きな制約であった治療薬開発のためのモデル不足を解消するものです。提供するモデルは、動物モデルとして、1iRA-ILD(関節リウマチ関連間質肺炎)モデル、2iUIP(特発性肺線維症)モデル、また短期評価系として、3PCLS(肺組織薄切片培養)モデルを開発しました。
特徴と強み 本モデルを用い線維化阻害薬の評価のみならず、薬剤性間質性肺炎のリスク評価を行います。創薬時の時間的な制約を考え、まずPCLSモデルでのプレスクリーニング(培養系、短期間で評価する)を行い、iUIPモデル、iRA-ILDモデルでの実験に移行する基本スキームを考えています。
企業等への提案 上記モデルを軸に、SARS-CoV-2関連の研究も進めており、間質性肺炎とCOVID19発症の新たな関連性が見えてきています。本研究は、この視点からも共同研究を進めることが可能です。
所属 医学研究科 細胞分子生物学分野
補職 学内講師
氏名 金澤 智

肺高血圧症の新規治療薬を指向したイオンチャネル・受容体創薬

2020年12月9日
キーワード イオンチャネル、肺高血圧症、創薬
研究概要 肺高血圧症分類の第1群である肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺動脈平滑筋の攣縮や肺血管リモデリングに起因する難病です。発症後の予後は極めて不良であり、5年生存率は約50%です。PAHの発症や病態機構は、ほとんど分かっていません。近年、数種類の治療薬が開発されましたが、依然として十分な薬物治療が確立されたとは言い難い状況です。そのため、既存薬とは異なる作用機序の治療薬が切望されています。
特徴と強み 肺動脈性肺高血圧症(PAH)で発現変動するイオンチャネル・受容体を標的とした新規治療薬を開発します。

肺動脈性肺高血圧症(PAH)の分子機構の解明のみならず、新規PAH治療薬の開発、さらには肺高血圧症治療ガイドラインの確立にも大きく貢献できると考えています。
所属 薬学研究科 細胞分子薬効解析学分野
補職 教授
氏名 山村 寿男

mRNA代謝研究とmRNA医薬安定化技術および翻訳効率化技術の開発

2020年12月9日
キーワード mRNA医薬、mRNA分解、遺伝子治療
研究概要 当研究室は、細胞内におけるmRNA分解開始機構の解明(Funakoshi et al., GenesDev2007)をはじめとしてmRNA分解制御研究において実績があり、ごく最近、外来性mRNA(mRNA医薬)の分解機構の全容を解明することに成功しました(Nogimori et al., Nucl Acids Res2019)。現在、この外来性mRNA特異的な分解を阻害するmRNA医薬安定化技術および翻訳効率化技術を開発中であり、mRNAをベースにした遺伝子治療、ウイルス疾患治療、iPS細胞作製、癌免疫療法等への臨床応用を可能にすることを目指しています。
特徴と強み 今後も遺伝子発現制御、mRNA品質管理、抗ウイルス防御に関わるmRNA代謝の基礎研究に重点を置き、シーズを発掘することで、大学発創薬につなげていきたいと考えています。企業との共同研究・共同開発も歓迎いたします。
所属 薬学研究科 遺伝情報学分野
補職 教授
氏名 星野 真一

消化管がん早期診断のための尿中バイオマーカーの開発

2020年12月9日
キーワード 早期診断、尿、バイオマーカー、食道癌、胃癌、大腸癌
研究概要 無侵襲サンプルである尿検体を使用し、食道癌・胃癌・大腸癌の消化管がんを早期診断する尿中バイオマーカーの開発研究を行っている。すでに現時点で、食道癌・胃癌・大腸癌患者および健常者から、1000例以上の尿検体を集積している。尿中に含まれる微量タンパクやmiRNA、エクソソームなど様々な因子を解析し、非侵襲診断バイオマーカーの開発を行っている。また最近は、血清エクソソームを使用したバイオマーカー開発も行っている。
特徴と強み
  • 無侵襲で安価な尿検体を用いた、がん診断バイオマーカーの開発。
  • すでに多数例の尿検体を保持し、素早く・質の高い研究が可能。
  • がんコホートの約半数は、早期がん症例の尿検体であり早期診断バイオマーカーの開発が可能。
  • 国際共同研究により、グローバルに適応可能なバイオマーカーの開発が可能。
  • 薬剤標的の探索にも応用可能。
想定される用途 実用化イメージは以下の通りである。
  • 尿を使用し、消化管がんのスクリーニング検査を行う。
  • 尿はどこでも誰でも採取可能であり、検診として自宅で採取し尿検体を解析する。
  • 将来的には、自宅でも測定可能なキットの開発を目指す。
企業等への提案 最終的な臨床応用へ展開するために、診断試薬・キット開発などが可能な国内企業およびアカデミアとの共同研究を模索しております。また早期開発段階からの共同研究も募集しています。
所属 医学研究科 消化器・代謝内科学
補職 講師
氏名 志村 貴也

コロイド微粒子の秩序構造形成と材料応用

2020年12月9日
キーワード 微粒子、コロイド、コロイド結晶
研究概要 コロイド微粒子が規則的に配列した「コロイド結晶」は、紫外から近赤外領域の光をBragg回折し、材料応用が期待されています。本研究では有機物、金属酸化物、金属など、さまざまな微粒子を対象に、単一および多成分系における構造形成(共晶構造など)と、その材料応用を検討しています。本結晶は、光の反射・透過特性の設計にあたって自由度が大きく、新規な波長選択材料として、工学・医薬分野への応用が期待できます。
特徴と強み コロイド結晶構造の新規光学材料とプラズモニック材料への応用
コロイド微粒子は原子・分子系のモデルとして、また新規構造材料として、大きな期待が集まっています。ソフトな系の基礎から応用まで、ご興味の有る企業、研究者の連絡をお待ちしております。
所属 薬学研究科 コロイド・高分子物性学分野
補職 講師
氏名 豊玉 彰子

精子幹細胞の発生・分化・維持メカニズムに関する包括的研究

2020年12月9日
キーワード 精子幹細胞、精子形成、男性不妊症
研究概要 精子形成は思春期以後の精巣で継続的に行われる、細胞分化と形態形成とが協調して進行する過程です。神経や皮膚組織と同様に、精巣組織にも組織幹細胞(精子幹細胞)が存在することが明らかにされましたが、その発生・分化・維持メカニズムは不明です。
これまでに私たちは、実験動物を用い造精機能障害の機序や、ヒト精巣発生過程について解析を進めてきました。
これらの解析結果をふまえ、前駆細胞から精子幹細胞の成り立ちを明らかにすべく基礎研究を行っています。
特徴と強み 実験動物を用いた研究から、精子幹細胞の分化にヒストン修飾や、microRNAによるエピジェネティックな遺伝子発現制御が関与することを明らかにした。今後、詳細なメカニズムについて解析していきたいと考えています。
企業等への提案 本研究をもとに生体内の精子幹細胞の分化を効率よく誘導・促進する方法が開発できれば、iPS細胞から精子幹細胞を誘導するなど、男性不妊症に対する新規治療法へ応用することが可能と考えています。
所属 医学研究科 小児泌尿器科学分野
補職 教授、准教授
氏名 林 祐太郎 、水野 健太郎

天然食品成分による認知機能障害の防止

2020年12月9日
キーワード アポリポタンパク質E、HDL、アルツハイマー病
研究概要 アルツハイマー病の発症機構は解明されつつあり、添付資料の図に示すカスケードが考えられています。このカスケードの鍵となる現象として、Aβの産生、分解・除去、tauのリン酸化等があげられますが、それらに対する食品由来成分の関与がわかれば、予防・治療法開発につながると考えられます。
本研究では、培養神経細胞あるいは細胞株を使用して、各食品成分を添加し、鍵分子であるAβ産生、Aβ分解・除去に働くapoE-HDL産生、ならびにtauのリン酸化に対する影響などに関する研究に取り組んでいます。すでに複数の会社との共同研究により、特許出願も複数に及びます。
企業等への提案
  • 薬剤開発に比べて、食品成分は毒性がない、または低く、実用化への障害は少ない。
  • 従って、薬剤に比べて開発までの期間が短く、開発経費が圧倒的に少ない。
  • 発症後にしか使用できない治療薬に比べて、予防的に摂取することが可能であるため利益は大きい。

培養系での検討で、アルツハイマー病の分子病態に影響する成分を同定した後は、それらの成分をアルツハイマー病モデルマウスに投与し、認知機能ならびに脳内Aβ代謝、tauのリン酸化への影響を解析します。動物で効果のあった成分については、ヒトでの試験に向けた準備を行います。
企業等への提案 すでに、Aβ産生を抑制するもの、ApoE-HDL産生を増加させるものなどを複数同定し、それぞれ特許出願をしています。また、食品由来成分は、基本的には有害なものではないため、実用化へのハードルは低いと思われます。
所属 医学研究科 神経生化学
補職 教授
氏名 道川 誠

子育て支援・子ども虐待予防における "オープンダイアローグ"

2020年12月9日
キーワード 公衆衛生看護学、児童虐待予防、子育て支援
研究概要 本研究は、北欧で精神疾患患者への公的医療に取り入れられ成果を上げてきた「オープンダイアローグ」を子ども虐待の危険や子育て困難をかかえる親御さんにアプローチする方法として試行し、その効果を検討するものです。これまで児童相談所での勉強会を開き、様々な事例でロールプレイを続けてきました。今後は子育て支援者、地域で働く対人援助職者の方々との勉強会にも取り入れていきたいと考えています。
特徴と強み オープンダイアローグはノウハウではなく対話のそして支援者の「あり方」です。子育て支援や生きづらさを抱える人々への支援、そして支援者自身の学びの場と、活用できる場面が広いです。関心を持ってくださる方々と協働できることを希望いたします。
はじまりは精神科急性期治療に対してでしたが、オープンダイアローグはさまざまな生きづらさを抱える人たちとどのような対話がありうるのかについて、幅広い可能性をもつものとして、日本での模索が始まっています。
所属 看護学研究科 地域保健看護学
補職 教授
氏名 門間 晶子

グリア細胞異常に起因する小腸炎症モデルマウス

2020年12月9日
キーワード 炎症性腸疾患、神経グリア相互作用、カルシニューリン
研究概要 神経系のグリア細胞におけるカルシニューリンの役割を調べる目的でグリア細胞特異的カルシニューリン欠損マウスを作製したところ、腸管グリア細胞に異常が生じるとともに、小腸の変性・炎症と消化吸収異常が引き起こされ、成長が低下して離乳期後に死亡しました。これらの結果は、腸管グリア細胞が小腸の機能制御や恒常性維持に重要な役割を果たすことを示しています。
特徴と強み 炎症性腸疾患(クローン病)等の腸疾患における腸管グリア細胞の関与を調べることができる、新しいモデル動物になりうる可能性があります。腸管グリア細胞を標的とした腸疾患治療法はこれまでにないため、腸疾患の新しい治療法の開発につながることが期待されます。
企業等への提案 神経発生における神経−グリア相互作用を研究する過程で得られた研究成果になります。このモデルマウスを利用した腸疾患の新しい治療法を開発するような共同研究を希望しています。
所属 薬学研究科 生体超分子システム解析学分野
補職 准教授
氏名 田中 正彦

生体内における糖鎖の構造、生合成、 機能に関する研究

2020年12月 9日
キーワード 糖鎖の構造解析
研究概要 糖鎖は、核酸、タンパク質に次ぐ第3の生命鎖として重要視されていますが、糖鎖の有する構造上の特徴(分岐性、構造異性、構成ユニットの類似性)から、他の生命鎖に比べて研究が遅れています。こうした状況のもと、私は、糖鎖のシークエンス解析法、立体構造解析法の開発を行ってきました。また近年は、糖鎖の生合成過程や生合成された糖鎖がいかに機能を発揮しているかなどにも着目して研究を行なっています。
特徴と強み
  • 我々が所有する糖鎖エンジリアニングの技術は様々なバイオ医薬品の高機能化に応用可能と考えています。
  • 糖鎖の構造機能解析技術によって、がんや難治性疾患である天性筋ジストロフィーの新たな治療法の開発に寄与したいと考えています。
  • 主に免疫系、神経系における糖鎖の機能解明を目指して、研究をおこなっております。
所属 薬学研究科 生命分子構造学分野
補職 講師
氏名 矢木 宏和

「脳のはたらき」を推定する技術の開発

2020年12月9日
キーワード 視床下部、自律神経、神経系細胞
研究概要 fMRI(機能的MRI)などの技術的な発展により、ヒトや実験動物の脳の活動を精度良く測定することが可能になってきています。しかし、測定された脳活動から「入力から出力にいたる活動の流れ」を適切に推定する技術はほとんど存在していません。私たちは、これまでの基礎生命科学研究で培った経験を元にして、脳活動を適切に理解するための人工知能技術の開発を行っています。
特徴と強み 主な研究対象は「線虫」ですが、シンプルで解析が容易な線虫を研究して技術開発を行えば、それが高等動物やヒトの生命機能の理解につながることが分かってきました。他の研究者の方々とは全く違った角度から、社会に貢献していく所存です。
脳活動の測定データから、生物学的な「配線」にそった活動の流れを抽出できるようになれば、脳機能障害や薬理効果に関する基礎生物学的な知見をより活かした形で「脳のはたらき」が理解できるようになると考えています。
所属 システム科学研究科 生命情報系
補職 教授
氏名 木村 幸太郎

新規エピジェネティック修飾薬を用いた泌尿器癌新規治療法の開発

2020年12月10日
キーワード エピジェネティクス、LSD1、前立腺癌
研究概要 初期治療に抵抗性となった泌尿器癌に対する治療法は限られており、新たな治療法の開発は急務です。近年、エピジェネティック制御による癌進展のメカニズムの解明により、エピジェネティック修飾薬の治療薬としての可能性が注目されています。
本研究においては、癌進展に関わるエピジェネティック酵素であるLSD1に対する、本学で創製した新規阻害剤を用いた、広く泌尿器がんに適応できる新規治療法の開発を目指しています。
特徴と強み 現在、精巣腫瘍に対してもLSD1阻害剤の治療薬としての応用を目指して、治療効果やメカニズムの解明を進めております。
企業等への提案 エピジェネティック治療は、既存の治療と異なった作用機序による効果が期待できる新しい治療法です。本研究で治療標的としているLSD1はさまざまな癌での発現が指摘されており、治療薬の開発が求められています。
所属 医学研究科 腎・泌尿器科学分野
補職 教授・助教
氏名 安井 孝周・惠谷 俊紀

多様な構造を持つポリアミン類の合成

2020年12月10日
キーワード ペプチド、ポリアミン、分子プローブ
研究概要 ポリアミンは、多様な生理活性をもつ有機小分子です。哺乳動物は、がん細胞など増殖が盛んな細胞に高濃度で存在し、植物では形態形成や花芽の分化などの生理機能に関わります。
ポリアミンは、極性が高く、通常の方法では合成・精製が困難なことがあります。
我々は、様々なポリアミンを簡便に合成する固相合成法を開発しました。これにより、直鎖・部分構造制約・環状・分岐などの特徴的構造をもつ新規ポリアミン群を容易に合成することが可能です
特徴と強み ポリアミンの多様性・種類を増やしたポリアミンライブラリーを開発し、機能解析(核酸構造・機能に及ぼす効果、酵素阻害活性など)を進めます。
所属 薬学研究科 精密有機反応学分野
補職 准教授
氏名 梅澤 直樹

去勢抵抗性前立腺癌の治療

2019年12月10日
キーワード 去勢抵抗性前立腺癌、アンドロゲンレセプター
研究概要 前立腺癌にはアンドロゲンを遮断するホルモン療法が効果的ですが、一部は治療に耐性を示す、悪性度が高い去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に進行します。本研究では、フラボノイドの一種であるルテオリンがmiR-8080を誘導し、CRPCの治療耐性と関連するandrogen receptor (AR)のスプライスバリアントAR-V7を抑制することでCRPCの増殖や治療耐性を抑制することを解明しました。ルテオリンやmiR-8080はCRPCの治療に役立つ可能性があります。
企業等への提案 ルテオリンは、正常ARを抑制するmiRNAsを多く誘導することがわかっており、miR-8080と組み合わせたCPRCの治療法開発を目指します。

CPRCの治療耐性を改善しうる分子標的と考えられます。薬剤を癌細胞に効率的に輸送するためのドラッグデリバリーシステムを導入したいと考えています。
所属 医学研究科 実験病態病理学分野
補職 准教授
氏名 内木 綾

尿路結石患者の国内データ・バイオバンク設立研究(多施設共同前向き研究)

2019年9月17日
キーワード 尿路結石、データバンク、ドラッグスクリーニング
研究概要 本研究は、尿路結石症患者の臨床情報と検体試料を集め、保存するための前向き登録研究です。
本研究の目的は、臨床情報のみならず結石・腎組織・尿・血液から得られる情報において、尿路結石の形成につながる病態を明らかにすることです。
さらに、データ集積管理システム(Research Electronic Data Capture: REDCap)への臨床情報の蓄積より、生体試料の解析結果と臨床アウトカムの関係を明らかにし、オーダーメイドの薬物治療を開発することができます。
企業等への提案 尿路結石症は10人に一人が罹患し、世界3大疼痛としても知られる疾患です。有用な薬物治療が確立されておらず、社会的なニーズからこのような世界初の大規模データ・バイオバンクの設立に向けて従事してまいります。
今後の展望として、多施設にて尿路結石症患者の登録を行います。臨床情報の解析及び生体試料情報との関連解析から、バイオマーカーの検索、病態責任遺伝子の同定を行い、個別の最適治療の確立を目指します。
所属 医学研究科 腎・泌尿器学分野
補職 助教
氏名 田口 和己

HE染色と併用可能な粘液に対する無色透明蛍光色素:癌病理診断への応用

2019年8月14日
キーワード 組織染色、病理診断
研究概要 腫瘍細胞が少数の場合、その病理診断は、しばしば困難である。腺癌は粘液を有するため、HE染色に加え粘液染色を行うことは、癌細胞の同定に極めて有用である。しかし、粘液染色は、通常HE染色後に別切片で行われており、細胞同一性や迅速性などに難がある。
我々は、HE染色と同時染色可能な粘液反応性無色透明蛍光色素を利用して1枚の切片から様々な情報を引き出す方法を研究している。
特徴と強み 病理診断では、基本染色であるHE標本に加えて粘液染色を別々の切片で行うが、この際、細胞同一性は失われる(HE染色と粘液染色の色調は類似し、これらを同時には行わない)。
本法に用いる粘液反応性蛍光色素は、無色透明であり、HE染色と同時染色が可能である。この蛍光色素をHE染色と重染色することにより、細胞同一性を保ったままHE染色(明視野観察)と粘液染色(蛍光観察)の両者を評価することが可能となった。
想定される用途
  • 組織染色液
  • 病理診断試薬
  • 自動染色液用キット
企業等への提案 非常に小さい組織片から作製される貴重な切片を使用して診断等を行う場合には、1枚の切片から同時に診断につながる複数の情報を得る必要があります。より精度の高い診断を行うためにも、蛍光色素を応用利用した組織染色を必要としています。
染色技術の共同研究先を募集しています。
所属 医学研究科 臨床病態病理学分野
補職 教授、技術職員
氏名 稲垣 宏、高瀬 弘嗣

肺高血圧症の新規治療薬を指向したイオンチャネル創薬

2019年8月14日
キーワード イオンチャネル、肺高血圧症、創薬
研究概要 肺高血圧症分類の第1群である肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺動脈平滑筋の攣縮や肺血管リモデリングに起因する難病です。発症後の予後は極めて不良であり、5年生存率は約50%です。PAHの発症や病態機構は、ほとんど分かっていません。近年、数種類の治療薬が開発されましたが、依然として十分な薬物治療が確立されたとは言い難い状況です。そのため、既存薬とは異なる作用機序の治療薬が切望されています。
特徴と強み 肺動脈性肺高血圧症(PAH)で発現変動するイオンチャネルを標的とした新規治療薬を開発します。
肺動脈性肺高血圧症(PAH)の分子機構の解明のみならず、新規PAH治療薬の開発、さらには肺高血圧症治療ガイドラインの確立にも大きく貢献できると考えています。
所属 薬学研究科 細胞分子薬効解析学分野
補職 教授
氏名 山村 寿男

服薬状況把握ツールを用いた地域医療連携システムの構築

2019年8月14日
キーワード 服薬アドヒアランス、高齢者、地域包括ケアシステム
研究概要 超高齢社会では薬の飲み残しが問題となっています。そのため薬剤師は患者の服薬状況を把握しなければなりません。ところが高齢者の場合、従来の主観的なアンケートによる調査では服薬状況を正確に把握できない場合があります。
本研究では服薬状況把握ツールを用いて高齢者の服薬状況を客観的に把握することを試みます。
薬剤師が得られた情報をもとに地域医療機関と連携し高齢者の薬物療法の問題解決を目指します。
特徴と強み 服薬状況把握ツールがどんな患者に有効であるかと地域連携のあり方を検証していきます。これが明らかとなったところで、服薬状況把握ツールを利用した情報収集と地域医療連携の仕組みを普及していきたいと思います。
2014年から服薬状況把握ツールの研究に取り組み、ようやく使用できる目途がたちました。現在この研究に一緒に取り組んでいただける薬局を探しております。どうぞよろしくお願いいたします。
所属 薬学研究科 臨床薬学分野
補職 講師
氏名 菊池 千草

国内動物園飼育下のオランウータンの人工繁殖計画へのヒト生殖医療の応用

2019年8月14日
キーワード 生殖免疫学、不育症、プロテアーゼ、学びなおし
研究概要 本研究では人工授精を前提に雌の排卵期を確実に評価するため、発情ホルモン濃度測定と視診(腟壁、子宮腟部、卵巣触診、および腟分泌物の観察)を行った。また超音波診断法を施行し、発情ホルモン濃度ピーク日の生殖器情報の蓄積を行った。その結果、雌オランウータンの人工授精適期(排卵期)における雌生殖器の状態を明らかにすることができた。それらはヒトと相同性があることが認められた。
特徴と強み 本研究を推進することでヒト生殖医療をオランウータンに応用することにより、全世界の動物園飼育下のオランウータン(のみならず動物園の大型類人猿)の人工繁殖計画に寄与することを目的とする。
現代の医学や医療は数多くの貴重な動物の命の犠牲のもとに発展して来た。追悼と感謝の気持ちと共に彼らにヒューマンサイエンスを還元すること("Human Feedback")が本研究のメインコンセプトである。
所属 医学研究科 高度医療教育研究センター
補職 教授
氏名 尾崎 康彦

小腸特異的な新規尿酸トランスポーターを標的とした尿酸関連疾患治療薬の開発

2019年8月14日
キーワード トランスポーター、尿酸、小腸
研究概要 新たな尿酸トランスポーターとして同定されたEUTは、小腸上皮細胞で生成した尿酸の血中への供給経路として働いているとみられます。
尿酸の体内動態においては、肝臓に次ぐ産生臓器、腎臓に次ぐ排泄臓器としての小腸の重要性が知られており、EUTの阻害によって血中への尿酸供給を抑制することで、小腸経路での尿酸排泄の促進が期待されます。
この点から、EUT阻害剤は新たな機序による尿酸関連疾患(高尿酸血症・痛風等)治療薬として期待されます。また、EUT阻害物質には、健康食品ないしサプリメント成分としての活用の可能性も期待されます。
特徴と強み EUT遺伝子導入発現系細胞を用い、EUT阻害剤の網羅的探索に取り組んでいます。尿酸関連疾患(高尿酸血症・痛風等)治療薬の候補となるEUT阻害剤について、その作用・効能に関わる検証を経て、実用化を目指します。
各種の尿酸トランスポーターをはじめとして、広く多様なトランスポーター群の機能評価及び探索にも取り組んでいます。トランスポーター研究用材料(cDNA及び遺伝子導入発現系細胞)の提供や技術協力もできます。
所属 薬学研究科 薬物動態制御学分野
補職 教授
氏名 湯浅 博昭

タンパク質分解系による代謝制御機構の解析

2019年8月14日
キーワード タンパク質、オルガネラ、分解、代謝、品質管理
研究概要 代謝は、分子生物学が勃興する以前から研究されてきた歴史ある分野です。近年、質量分析技術の進歩によって、代謝変動の全体像が一挙に解析できるようになりました。
しかし、網の目のような代謝経路がどのように制御されているのか、未解決の問題が山積みとなっています。
私たちは、「タンパク質の分解」を切り口として、代謝経路のオンとオフを制御するスイッチの発見を目指しています。
特徴と強み 出芽酵母をモデルに研究しています。代謝は微生物工学への貢献が期待されます。平行して、哺乳類の代謝系を研究する準備も進めています。タンパク質の分解系に関わる代謝経路のオンとオフを制御するスイッチの発見から、新規創薬のターゲットの発見につながることが期待されます。
トレンドを注視しながらも、0を1にするオリジナルな研究を目指しています。
所属 システム自然科学研究科 生命情報系
補職 准教授
氏名 中務 邦雄

ゲイバイセクシュアル男性を対象とした HIV予防の推進

2019年8月14日
キーワード HIV感染症の予防、健康行動学、ヘルスプロモーション
研究概要 HIV感染症の予防、セクシュアルヘルスをテーマに研究しています。集団レベルでHIVの予防を推進するためには、感染リスクが高いポピュレーションを見極め、その対象者に効果的な予防介入を継続的に実施することが重要です。
日本では、ゲイ・バイセクシュアル男性におけるHIV/AIDS感染拡大が最も深刻であり、彼らへのコミュニティベースの予防プログラムの立案、実施、評価に資する研究を当事者、NGO、行政、医療専門家、研究者のパートナーシップのもと行ってきました。
平成28-30年度の厚生労働省エイズ対策政策研究事業では、乾燥血液スポット法(指先にランセット針を刺して取った血液をろ紙にしみこませ検査機関に送り、スクリーニング結果をWEBで確認する検査手法)を用いたコミュニティベースでのHIV検査機会の拡大を行います。
特徴と強み 通常の保健医療サービスが届きにくいマイノリティ集団にいかにアクセスし、必要なサービスを提供していくかは大変難しい課題です。
エイズ分野では、当事者、NGOが大きな力を発揮し、感染拡大の抑制に貢献してきました。この成果を目に見える形で残せるような、予防対策に資することができるような研究が必要だと考えています。
企業等への提案 エイズ予防の研究や取り組みにおいては、研究者、NGOや行政、医療、ボランティアの協働が鍵となります。
研究においても、メンバーそれぞれの専門や能力を最大限に発揮できるチーム作りを重視しています。
所属 看護学研究科 国際保健看護学
補職 准教授
氏名 金子 典代

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