K+チャネル阻害薬による制御性T細胞におけるIL-10発現亢進と炎症抑制
活動の概要 | 【研究の背景】 ・指定難病の炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)は、発症原因不明の疾患であり、根治的薬物治療法の開発が期待されています。 ・カルシウム活性化カリウムチャネルKCa3.1は、制御性T細胞におけるカルシウムシグナルやリン酸化シグナルを制御することにより、サイトカイン発現・産生の制御に重要な役割を果たしています。 【研究の概要】 ・炎症性腸疾患モデルマウスにおいて、KCa3.1阻害薬が下痢や血便などの症状を寛解させることを見出しました。 ・KCa3.1阻害薬は、抗炎症性サイトカインIL-10の発現・産生を促進することを発見しました。 |
活動の時期 | 2021年4月(論文発表)、2022年1月(論文発表) |
researchmap URL | https://researchmap.jp/crescendo |
関連する論文 | Susumu Ohya, Miki Matsui, Junko Kajikuri, Kyoko Endo, Hiroaki Kito: Increased Interleukin-10 expression by the inhibition of Ca2+-activated K+ channel KCa3.1 in CD4+CD25+ regulatory T cells in the recovery phase in an inflammatory bowel disease mouse model J Pharmacol Exp Ther. 377(1), 75-85 (2021). Miki Matsui, Junko Kajikuri, Kyoko Endo, Hiroaki Kito, Susumu Ohya: KCa3.1 inhibition-induced activation of the JNK/c-Jun signaling pathway enhances IL-10 expression in peripherally-induced regulatory T cells J Pharmacol Sci. 148(1), 1-5 (2022). |
期待される効果、今後の展望 | ・KCa3.1阻害薬が、炎症性腸疾患の治療薬として有効であることが期待されます。 ・KCa3.1阻害薬は、制御性T細胞の抗炎症効果を増強することにより、他の炎症性疾患(関節リウマチなど)やアトピー性疾患に有効であることが期待されます。 |
所属 | 医学研究科 |
氏名 | 大矢 進 |
専門分野 | 薬理学 |