グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



SDGs活動紹介

ホーム >  SDGs活動紹介 >  人体に照射しても安全な紫外殺菌光源の実現

人体に照射しても安全な紫外殺菌光源の実現



活動の概要 コロナウイルスを含む様々な病原性ウイルスや細菌を殺菌する手法として,薬液を利用しないで広範囲な殺菌が可能な紫外線殺菌技術が注目されています。しかし,紫外線はヒトの細胞やタンパク質に強く吸収されるため,法律で規制された数値以上の紫外線を浴びると,アトピー性皮膚炎や皮膚がんになることが広く知られております。ところで,近年,人体に照射しても安全な“遠紫外線”が,新しい殺菌光として注目されています。しかし,この遠紫外線を出力することが出来る殺菌光源で実用的なものは現在のところ存在しません。今回,私たちは,実用的な全固体型遠紫外(230 nm)光源の開発に成功しました。本光源は,水銀を含まず,小型で高効率,安価な光源です。
活動の時期 2023年3月 論文発表。
2020年から2024年を研究開発期間として予定。
関連URL https://www.nagoya-cu.ac.jp/press-news/202303081400/
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/gch2.202200236
researchmap URL https://researchmap.jp/read1253163
関連する論文 ・Neo, Y, Matsumoto, T. et al. Global Challenges 7, 2200236 (2023).
・Akasaki, I, Matsumoto, T. et al. Scientific Reports 7, 2944 (2017).
・Matsumoto, T, Amano, H. et al. Optics Express 20, 24320-24329 (2012).
期待される効果・今後の展望 今回,開発に成功した固体遠紫外光源は人体に照射しても安全な紫外線光源であり,水銀を含まず,小型で高効率,安価な光源であります。居住空間(コロナウイルス,インフルエンザ),農場(鳥インフルエンザ)および病室(MRSA)等に出現する様々な病原性ウイルス・細菌に対して高い殺菌効果を得ることが出来るため,安全・安心に利用できる感染防止用光源として,今後役立つことが期待されます。
所属 芸術工学研究科 産業イノベーションデザイン領域
氏名 松本 貴裕
専門分野 量子エレクトロニクス,光物性,真空ナノエレクトロニクス,フォトバイオロジー

図版

固体遠紫外線ランプ構造(左図)と実際に作製した遠紫外線ランプ(右図)。グラフェン電界放出源より飛び出して加速した電子がMgAl2O4遠紫外蛍光体に衝突することによって,高効率で高強度の遠紫外光が発生する仕組み。

図版

今回開発した遠紫外ランプを用いた大腸菌殺菌実験。遠紫外線で照射された中央部(右図)が殺菌されていることを実証する結果。照射されていない部位は白濁しており,大腸菌が殺菌されずに繁殖していることを示している。