ナノテクノロジーを用いた新規がん温熱 治療の開発
活動の概要 | N極とS極が交互に交代する交番磁場照射により発熱する磁性ナノ粒子を腫瘍組織に注入し、磁場照射により腫瘍組織のみ45°C以上に上昇する磁場誘導組織内加温法を開発しました。この技術を用いることでラット前立腺がん皮下移植モデルでの抗腫瘍効果、ヒト前立腺がん細胞株の腫瘍完全退縮、さらにラット前立腺がん頭頂骨浸潤モデル、大腿骨転移モデルにおける、強い腫瘍免疫活性の誘導を名古屋大学名誉教授小林猛先生らと共に明らかにしました。 |
活動の時期 | 2022年8月論文発表 |
関連URL | https://ncu-uro.jp/ |
researchmap URL | https://researchmap.jp/research_kawai |
関連する論文 | ●Kawai N, Kobayashi T,et al., J Int Transl Med. 4:258-67. 2016 ●Kawai N, Kobayashi D,et al., Vascular Cell, 15: 6:15, 2014 ●Kobayashi D, Kawai N, et al., Prostate, 73: 913-922, 2013 ●Kawai N, Futakuchi M,et al.,Prostate, 68: 784-792, 2008 |
期待される効果、今後の展望 | 磁性ナノ粒子の局所注入においては本学附属病院のIRBの審査を受け、臨床試験を実施しました。磁性ナノ粒子の局所注入以外に、磁性ナノ粒子への抗体結合、IVR手技による転移巣への注入、内包させた抗がん剤放出などの修飾が可能です。これら技術を組み合わせ、あらゆる癌腫の原発巣、転移巣の治療の開発を目指します。現在、製薬企業との共同研究を進めています。今後も積極的に新しいがん治療の開発を行いたいと考えています。 ナノテクノロジーを用いた新規がん温熱治療は、臨床試験の結果からも証明されているように、副作用がなく、繰り返し実施できるという利点があります。癌腫や転移様式に関わらず、広く応用できると考えています。 |
所属 | 医学研究科 腎・泌尿器科学分野 |
氏名 | 河合憲康 |
専門分野 | 泌尿器系腫瘍学、応用工学 |
抗体を結合させた磁性ナノ粒子を注射します
MRIで微小な転移巣を見つけます
そのまま体外から交流磁場照射をして、転移巣の治療を行います。検査と治療を同時に行うTheranosticsが可能です。