学部・研究科・附属病院の歴史
学部・研究科・附属病院の歴史
瑞山会は1期生が卒業して10年目の1978年(昭和53年)に設立されました。10カ月の準備活動を経て11月19日に設立総会が行われ、その様子を同年12月14日発行の瑞山会会報創刊号は「設立総会開かれる 学部創立15年目に念願達成」の見出しで報じています。発足当時の卒業生累計は1,800名余、創刊号には「多数の方々のご協力により、1,700名余の現況を掌握でき、名簿に記載することができましたが、まだ100名余と連絡が取れません。名簿の不明部分についてご存知の方は至急連絡いただきますようお願いいたします。」とあります。とても精度の高い会員掌握であり、発足当時の熱気が感じられますし、同窓会に対する卒業生の期待の高さが伝わってきます。
瑞山会の目的「会員相互の親睦をはかる」と「母校の発展に寄与」です。瑞山会は任意団体ですが会員の変化、時の流れなどに対応してきました。例えば情報化社会に対応し1998年(平成10年)ホームページ(HP)の開設、2017年(平成29年)HPの刷新などです。
また、個人情報保護法についても次のように対応してきました。瑞山会設立27年目の2005年(平成17年)に個人情報保護法が施行されました。この法律は会員名簿(現住所および電話番号、勤務先および電話番号、出身ゼミを掲載)に大きく影響しました。例えば勤務先は1978年(昭和63年)卒の20期生までは約7割が明らかにされていましたが2002年(平成14年)卒の35期生以降は10%程度しか明らかにされていません。出身ゼミは2001年(平成13年)卒の34期生まではほぼ100%が明らかにされていましたものが20%以下になりました。最近は大学側の協力で改善されてきています。また同法の改正法が2015年(平成27年)に成立、2017年施行されたことから2019年には第10号(2014年平成26年発行)を最後に会員希望者への販売を中止としました。
会の目的の一つ「母校の発展に寄与」について過去の事例を紹介します。
写真1 山の畑キャンバスソテツ広場の時計塔
写真2 経済学部20周年寄贈のハナミズキ
写真1 山の畑キャンバスソテツ広場の時計塔
写真2 経済学部20周年寄贈のハナミズキ
瑞山会は「会員相互の親睦をはかる」と「母校の発展に寄与」を目的に活動している。役員として会長、副会長、理事、監事、顧問、代議員からなる。例年6月の第3土曜日に総会・代議員会を開催して事業活動・予算執行の承認を同窓会員から得て運営している。なお会計年度は4月1日から翌3月末日の1年、役員任期は総会から翌年総会までとしている。
具体的同窓会活動を推進するため、庶務部、編集部、事業部、渉外・広報部、会計部の5部を置きそれぞれ理事の中から部長、副部長が選任され、それ以外の理事は5部のいずれかに属し活躍している。以下に各部の担当業務を紹介し瑞山会の活動を紹介する。
庶務部の担当業務として①総会・懇親会・代議員会の企画開催をする。②理事会の開催事務業務を行う。③卒業生の成績優秀者を表彰する。④大学の施設利用の場合窓口業務を行う。⑤大学山の畑事務室との連絡を密にする。
編集部の担当業務は①年1回、同窓会報の編集・発行(7月末頃)し会員送付する。②ホームページを統括し、ホームページの企画、メンテナンス作業をする。③同窓会会員名簿は個人情報保護法の改正を受け2014年第10号発行を最後に希望者への販売は中止したが、常時、名簿を整理・管理する。そのために大学側の協力を得て、入学生・卒業生の名簿回収をし、名簿を整える。
事業部の業務として①総会後の懇親会の企画と実施をする。②山崎川さくら祭りの開催を行う。③春・秋季の年2回のゴルフコンペの企画と運営をする。④山の畑ホームカミングデ―の開催をする。
渉外・広報部の担当業務として①新入学生対象オリエンテーションでの瑞山会説明をする。②新教職員歓迎懇親会へ参加し大学側(教員、大学事務局)との交流を図る。③在学生が海外留学する場合に対して支援する(1名3万円)。 ④社会人(OB)講座を隔年開講する。⑤支部活動の支援をする。現在東京・関西(2021年度設立総会予定)の地域支部、7つの企業支部、クラブOB会など2つの広域支部への支援をする。⑥山の畑キャンパスの草刈りボランティア活動の運営をする。⑦会長・副会長、各部長・副部長で構成される年4回の企画会議の運営と議事録を作成する。
会計部の担当業務として①新入学生瑞山会入会金・入金処理を行う。②振り込み業務を行う。③予算・決算書の作成を行う。
瑞山会の会員も1万人余を擁し、一期生は75歳を迎え、2020年3月卒業の53期生までに成長した同窓会活動が益々要望されるようになって来た。そのため各部の要望や今後の瑞山会の活動について企画会議で話し合い、理事会での審議事項に提案している。理事会は5月、9月、2月の年3回開催して瑞山会の発展を目指している。
設立30周年記念講演会
講演者伊藤元重氏
(2008年9月14日)
設立40周年記念講演会
講演者丹羽宇一郎氏
(2019年6月15日
設立40周年記念パーティーの一コマ
(2019年6月15日)
ホームページのトップ画面
山崎川さくら祭り
(2019年4月1日)
山崎川さくら祭り
(2019年4月1日)
第74回瑞山会ゴルフコンペ
(2019年10月19日)
新入学生オリエンテーション
(2019年4月4日)
山の畑草刈りボランティア
(2018年10月26日)
山の畑草刈りボランティア
学生による片付け風景
(2018年10月26日)
関東支部設立総会集合写真
(2017年10月1日)
大学院経済学研究科の修了生の同窓会として組織化された剣陵会では、大学院での研究の成果や日ごろの研鑚の積み重ねを、教育や社会に還元することを活動の一つの柱に据えている。剣陵会のメンバーの多くが、社会人として勤務し、仕事との兼ね合いを考えつつ、自身の興味、仕事との関連、スキルの向上をめざして、さらに大学院で研究しようと入学してきたこともあって、新たな資格の取得、勤務先や社会での活躍、大学教員への転身など、研究をそれぞれの道に活かしているメンバーも多数いる。そこでこのような人材を同窓会として活用することが考えられた。
そのひとつは、剣陵会のメンバーを講師とした市民公開講座がある。平成12年(2000)に剣陵会10周年を記念して開催したのが始まりであるが、それ以降平成16年(2004)を除き毎年開催して、令和元年(2019)の秋には19回目を数えた。テーマは経済や社会の動きなどから税務、医療と介護、観光、働き方、ITそして中部圏のものづくりなど、時宜にかなったものを選んできた。チラシの配付や新聞の催し欄などで広く市民に広報し、多くの受講者を集めてきた。
二つめが名古屋市立大学での寄附講義の開講である。平成21(2009)年度から大学院経済学研究科博士前期課程の授業を前学期、後学期それぞれ1科目ずつ開講してきたが、2016年度からは年度内1科目の開講としている。さらに、平成30(2018)年度からは経済学部において3年生を対象にした講義を隔年で開講することにした。それぞれの講義は複数の講師が数回担当するオムニバス形式として実施している。
三つめには定期的な研究会活動がある。塩見治人名古屋市立大学名誉教授の指導のもと、ほぼ月一回、会員有志による研究会を行っている。研究会は教室内だけの報告、討論だけでなく、実際の現場、現地視察を行い、関係団体、関係者などとの意見交換を行うなど外部へ出かけるアクティブな研究会と位置付けている。その研究成果は本の出版として目に見える形で社会に還元している。
剣陵会では年一回、春に剣陵会総会を開催し、その時に講演会を挟み、その年度の修士学位取得者の「修了を祝う会」を合わせて開催して、会員相互の親睦を図る懇親会を行っている。また秋には「市民公開講座」終了後に懇親会を行うことにしている。剣陵会の日常的な運営は定期的に開催する幹事会で確認し進めている。最近では瑞山会が行ってきた滝子キャンパスでの清掃活動や経済学部事務担当への要望などに共同して参加するなど、経済学部、経済学研究科の発展に寄与できるよう活動をしていきたい。
(細川潔/剣陵会事務局長)
経済学研究科博士前期課程は、昭和43 (1968) 年度に設置された。 夜間開講の社会人大学院の開設は平成元 (1989)年度である。平成17(2005)年度には、社会人大学院に博士後期課程が設置され、働きながら課程博士を取得できる道が開かれた。経済学研究科の設置からはすでに50年余が過ぎている。社会人大学院は30回目となる修了生を送り出している。経済学研究科創設50周年、社会人大学院創設30周年の記念行事の検討が始まっている。
さて経済学研究科で学んだ修了生による同窓会設立の経緯に少しふれておきたい。社会人大学院の修了生が誕生するまでは、経済学研究科の修了生は人数からいっても少数であり、かつそのほとんどは本学経済学部からの進学者であった。このために学部同窓会(瑞山会)が卒業生としての交流の役割を果たしており、大学院修了生の同窓会を求める声も格別無かったものと推察される。これに対し社会人大学院への入学者(定員20名)の多くは他大学学部出身者であった。同時に修了後もその多くは引き続き研究を継続したい思いを強く抱いていた。つまり出身大学が異なるため瑞山会会員にはならないため、大学院修了生が自らの願いを実現するために、剣陵会を組織することになったのである。その後、研究科修了生を包括的に組織する同窓会として発展改組を行ってきたところである。
このような経緯を持つ同窓会であるために、単なる親睦というより、大学院の同窓会に相応しい事業を行おうと、市民公開講座、大学院寄付講義、中国社会科学院との学術交流、著作『トヨタショックと愛知経済―トヨタ伝説と現実―』(平成23年、塩見治人・梅原浩次郎編、計11人執筆)などの出版活動に取組んできた。大学院寄付講義では、同窓会が経済学研究科に協力して経済学特論、経営学特論を開講したのである。研究成果や社会経験を大学院の教育・研究に還元し、ひいては自己の研鑽に役立てている。しかも一過性ではなく継続的に引き受けていくことにしており、大学院だけでなく、近年では学部の寄付講義へと対象を広げている。
出版活動を敷衍すれば、第2冊目『名古屋経済圏のグローバル化対応―産業と雇用における問題性―』(平成25年、塩見治人・梅原浩次郎編、計16人執筆)、第3冊目『希望の名古屋圏は可能か―危機から出発した将来像―』(平成30年、塩見治人・井上泰夫・向井清史・梅原浩次郎編、計13人執筆、学外者20人執筆)へと継続・発展してきた。現在第4作目への挑戦は、第3作目で残された課題、21世紀の市民像としての非営利活動の研究に取り組んでいる。大学院修了生を組織する同窓会に相応しい、特色ある研究活動を展開しているのではないかと考えている。
研究活動を通じて「人生を変えた」経験をしている会員が多いと聞く。大学院とならんで同窓会が、会員の研究活動の拠点となるように、さらに努力をしたいと考えている。
(梅原浩次郎/剣陵会顧問)