学部・研究科・附属病院の歴史
学部・研究科・附属病院の歴史
1996年4月に発足した人文社会学部の完成年度を迎えて、2000年4月、大学院人間文化研究科(Graduate School of Humanities and Social Sciences)の修士課程が設置された。入学定員は15名であった。
名古屋市立大学名誉教授
村井 忠政
名古屋市立大学名誉教授
村井 忠政
社会生活を通じて文化形成を進めて行く人間の営みの全体が、今や大きな危機に直面している。18世紀以来信奉されてきた「進歩」の理念は、人類の努力の蓄積によって人類の福利が無限に増大して行くことを想定していた。しかし自然を資源として利用し得る人間の力は有限な地球環境によって限界づけられていることが今や明白である。こうしていわば量的に限定された諸条件の下で生きて行く21世紀の人類はどの様な文化変容を遂げて行くのか、そうした21世紀の社会生活の中で求められるべき「豊かで人間らしい生き方(well-being)」とは果たしてどの様なものであり得るのか、こうした問いは今日の社会過程の根底にあり、意識すると否とに拘わらず万人が日々自らに問い掛けつつ、最も切実に答えを求めている問いである。こうした根本的問題意識に立ちながら、新たな世紀と時代に対応すべき人間文化のあり方を多面的かつ学際的に探究することが本研究科設置の趣旨ならびに目的である。
「人間文化研究科修士課程は、研究者の養成を行うと共に高度な職業人を育成する教育課程とする。本修士課程は、人間文化に関する人文科学及び社会科学に亘る幅広い学際的な識見を有し、来るべき世紀の新たな諸条件の下における『豊かで人間らしい生き方』がいかにあるべきかを尋ねると共に、この問いに対する暫定的解答を用意して、実際的実践的な問題解決に当たる専門家を育成することを目的とする。」
【注記】上記(1)および(2)は、大学院設置にあたって文部省(現文部科学省)に提出した「大学院設 置認可申請書」(1999年6月30日付)から一部引用したものである。
本研究科では社会人学生の履修上の便宜を図るために、「昼夜開講制」をとっている。これにより学生は、夜間(18:00~21:10)と土曜日に開講される授業科目を履修することで、修了に必要な単位を修得することができる。さらに、職業、家事、育児、介護などの事情を持った学生のために、「長期履修制度」をとっている。これにより学生は標準修業年限(博士前期課程2年、博士後期課程3年)を越えた年数で履修することができる。授業料は、標準修業年限の学生が負担する額を長期履修の期間で按分した額を年額とする。
2000年 | 4月 | 1996年に発足した人文社会学部の完成年度に合わせ、大学院人間文化研究科(Graduate School of Humanities and Social Sciences)修士課程を設置。入学定員は15名とする。 |
2002年 | 4月 | 大学院人間文化研究科修士課程の完成年度に合わせ、大学院人間文化研究科博士課程設置。これにともない修士課程を博士前期課程と改称。入学定員は博士前期課程15名、博士後期課程5名とする。 |
2003年 | 1月 | 大学院人間文化研究科紀要『人間文化研究』(Studies in Humanities and Cultures)創刊号刊行。 |
4月 | 大学院人間文化研究科博士前期課程の入学定員を従前の15名から25名に増員。 | |
2005年 | 4月 | 人間文化研究科附置研究所として、人間文化研究所(Institute for Studies in Humanities and Cultures)を開設。 |
2006年 | 3月 | 『人間文化研究所年報』創刊号刊行。 |
4月 | 名古屋市立大学の法人化にともない、公立大学法人名古屋市立大学となる。 | |
2017年 | 4月 | 医療心理センター臨床心理相談室開設。 |
2018年 | 4月 | 人間文化研究科大学院博士前期課程に臨床心理コース開設。 |
2020年 | 4月 | 経済学研究科と連携して新しい都市政策コース開設。 |
大学院人間文化研究科修士課程の完成年度を迎え、2002年4月、大学院人間文化研究科博士課程が設置された。これにともない修士課程は新たに博士前期課程として位置づけられ、入学定員は博士前期課程15名(2003年度からは25名に定員増)、博士後期課程5名とした。
博士前期課程のカリキュラムは、次の三つの科目群で構成される(表1参照)。
区分 | 分野 | 授業科目 | 担当教員 |
---|---|---|---|
課題研究科目 | 文化と思想 | ヨーロッパの思想に関する研究 | ○福吉勝男 |
寺田元一 | |||
別所良美 | |||
欧米の文化に関する研究 | ○島根國士 | ||
○成田興史 | |||
田中敬子 | |||
土屋勝彦 | |||
三浦義章 | |||
日本の文化に関する研究 | ○服部幸造 | ||
成田徹男 | |||
吉田一彦 | |||
多文化共生 | 多文化共生に関する研究 | ○村井忠政 | |
新井 透 | |||
野村直樹 | |||
産業・労働と地域 | 地域と経済に関する研究 | ○山田 明 | |
矢野 均 | |||
経営と労働に関する研究 | ○藤田栄史 | ||
森 哲彦 | |||
奥田伸子 | |||
ジェンダー・人権・福祉 | ジェンダー・人権・福祉に関する研究 | ○森 正 | |
滝村雅人 | |||
安達正嗣 | |||
石川洋明 | |||
人間の成長と発達 | 心身の発達に関する研究 | ○後藤宗理 | |
穐丸武臣 | |||
鋤柄増根 | |||
丹羽 孝 | |||
〈博士前期課程修了要件単位〉 | |||
課題研究科目(各4単位)は、2年間継続履修で計8単位必修とする。専門領域科目(各2単位)については18単位以上、共通科目(各2単位)については4単位修得が修了要件。博士前期課程の学生は2年以上在学して修了要件単位(計30単位以上)を修得し、かつ修士論文の審査および最終試験に合格しなければならない。 |
区分 | 授業科目 | 担当教員 | |
---|---|---|---|
専門領域科目 | 文化系 | 西洋近代哲学研究A・B | 福吉勝男 |
フランス思想研究A・B | 寺田元一 | ||
英米思想研究 | (下川 潔) | ||
イギリス文学研究A・B | 島根國士 | ||
現代アメリカ文学研究 | 成田興史 | ||
ドイツ文学研究 | 森田 明 | ||
キリスト教研究 | (鳥巣義文) | ||
言語学研究A・B | 日木 満 | ||
日本文化研究A・B | 服部幸造 | ||
日本古代史研究A・B | 吉田一彦 | ||
日本近代史研究 | (檜山幸夫) | ||
社会系 | 比較社会論研究A・B | 村井忠政 | |
コミュニケーションの民族誌研究A・B | 野村直樹 | ||
エスニシティ研究 | (分田順子) | ||
地方財政研究A・B | 山田 明 | ||
アメリカ金融史研究A・B | (須藤 功) | ||
情報処理研究 | 矢野 均 | ||
地域経済研究 | (宮入興一) | ||
産業社会学研究A・B | 藤田栄史 | ||
経営学研究A・B | 森 哲彦 | ||
ジェンダー論研究A・B | (安川悦子) | ||
現代人権論研究A・B | 森 正 | ||
社会福祉研究 | (中田照子) | ||
国際化と人権研究 | (田中 宏) | ||
人間系 | 発達心理学研究A・B | 後藤宗理 | |
人格査定法研究 | 鋤柄増根 | ||
認知神経心理学研究 | 中川敦子 | ||
現代教育研究A・B | 有賀克明・太田悦生 | ||
社会心理学研究 | (吉田俊和) | ||
家族発達臨床学研究 | (高橋靖恵) | ||
共通科目 | 人間文化論Ⅰ(現代文化論) | 成田興史・森田 明 | |
人間文化論Ⅱ(科学思想史) | (横山輝雄) |
(注1)表中○印をつけた教員は、履修指導、修士論文指導を担当する「主担当教員」を示す。
(注2)表中カッコ書きで表した教員は、非常勤講師を示す。
本研究科教育課程の大きな特色の一つである課題研究科目は、人間文化に関する各々の問題意識をもって参加する学生と教員(研究指導を主に担当する教員を含めた複数の教員)との共同研究(プロジェクト研究)方式により進められ、修士課程の教育の中心となる科目である。課題研究は、「文化と思想」、「多文化共生」、「産業・労働と地域」、「ジェンダー・人権・福祉」、「人間の成長と発達」の5分野からなりそれぞれの分野に1~3の課題研究科目を設定している。学生は課題研究科目のいずれか1科目を修め、2年間を通して8単位を修得しなければならない。
発足当初上記の5分野で始まった課題研究分野は、その後再編成を経て現在は次の8コースで構成されるに至っている。「グローバル文化コース」「日本文化コース」「地域文化と共生コース」「都市政策コース」「ジェンダー・福祉・社会学コース」「「こころ」の発達コース」「社会と教育コース」「臨床心理コース」(表2参照)。
課題研究分野(2000-8) | 課題研究科目 | 課題研究分野(2009-15) | 課題研究科目 | 課題研究分野(2009-18) | コース (2019-20) |
|||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | ||||
文化と思想 | ヨーロッパの思想 | ヨーロッパの思想 | 文化と共生 | 欧米の文化 | 文化と共生 | |||||||||||||||||
欧米の文化 | ヨーロッパの文化 | グローバル文化 | ||||||||||||||||||||
英米の文化 | ||||||||||||||||||||||
日本の文化 | 日本の文化 | 日本の文化 | 日本文化 | |||||||||||||||||||
多文化共生 | 多文化共生 | 多文化共生 | 多文化共生 | グローバル社会と地域文化 | 地域づくり | 地域文化と共生 | ||||||||||||||||
産業・労働と地域 | 地域と経済 | 社会経済システム | 生活・公共圏・マネジメント | 地域・労働・ メディア社会 | 社会と協働 | 地域・労働・メディア社会 | 地域文化と共生 | 都市社会と協働 | 都市政策 | |||||||||||||
経営と労働 | 都市社会システム | |||||||||||||||||||||
ジェンダー・人権・福祉 | ジェンダー・人権・福祉 | ジェンダー・人権・福祉 | ジェンダー・人権・福祉 | ジェンダー・福祉・社会学 | ||||||||||||||||||
人間の成長と発達 | 心身の発達 | 「こころ」の発達 | 人間の成長と発達 | 「こころ」の発達 | 人間の成長と発達 | 「こころ」の発達 | ||||||||||||||||
身体の発達 | 社会と教育 | 社会と教育 | ||||||||||||||||||||
社会と教育 | 社会と教育 | |||||||||||||||||||||
臨床心理コース |
専門領域科目は、共同研究科目である課題研究科目を基礎および隣接関連科目領域から支援し、また展開させるための科目である。このため、「文化系」、「社会系」、「人間系」に関わる基礎的、応用的科目が配置されている。学生は専門領域科目18単位以上を修得しなければならない。
共通科目は、5課題研究分野のいずれの分野の課題研究科目を履修する学生に対しても、人間文化に関して共通した理解を深めるための科目で、必修科目として開設されている。学生は共通科目4単位を修得しなければならない。
【注記】共通科目は後に博士課程の完成年度を迎えた時点で廃止されている。
博士後期課程のカリキュラムは、「特殊講義」と「特別演習」で構成される(表3参照)。
特殊講義は、各系列における教育の中核をなす科目であり、学生はこれを履修することにより、当該分野における専門知識の修得と研究テーマの発見およびテーマ追求に必要な関係分野および周辺分野における知識の修得を目指す。特殊講義は、「文化研究」、「人間・社会研究」の2系列にわたって行われ、各系列には、複数の専門分野が含まれる。
特別演習では、上記2系列における特定の専門テーマの決定とこれに対する研究の深化・展開をはかり、博士論文を完成することを目的とする。
本研究科はこれまでに優秀な博士後期課程修了者を数多く送り出しており、それら研究成果は学術研究書として刊行されている。
区分 | 授業科目 | 担当教員 | |
特殊講義科目 | 文化研究 | 欧米文化論特殊講義(イギリス文学) | 島根國士 三浦義章 |
欧米文化論特殊講義(アメリカ文学) | 田中敬子 新井 透 | ||
欧米文化論特殊講義(アメリカ文化論) | 成田興史 | ||
欧米文化論特殊講義(英語言語学) | 日木 満 | ||
欧米文化論特殊講義(ドイツ文学) | 森田 明 | ||
欧米文化論特殊講義(ドイツ文化論) | 土屋勝彦 | ||
日本文化論特殊講義(日本文学) | 服部幸造 | ||
日本文化論特殊講義(日本語学) | (下野雅昭) | ||
日本文化論特殊講義(日本宗教史) | 吉田一彦 | ||
ヨーロッパ思想論特殊講義(ドイツ近代思想) | 福吉勝男 | ||
ヨーロッパ思想論特殊講義(ドイツ現代思想) | 別所良美 | ||
ヨーロッパ思想論特殊講義(フランス近代思想) | 寺田元一 | ||
人間・社会研究 | 人間発達論特殊講義(発達心理学) | 後藤宗理 | |
人間発達論特殊講義(人格査定法) | 鋤柄増根 | ||
人間発達論特殊講義(認知神経心理学) | 中川敦子 | ||
人間発達論特殊講義(身体発達論) | 穐丸武臣 | ||
人間発達論特殊講義(自然認識教育論) | 有賀克明 | ||
多文化共生論特殊講義(比較社会学) | 村井忠政 | ||
多文化共生論特殊講義(コミュニケーションの民族誌) | 野村直樹 | ||
多文化共生論特殊講義(日韓幼児教育論) | 丹羽 孝 | ||
欧米社会論特殊講義(アメリカ金融史) | (須藤 功) | ||
欧米社会論特殊講義(イギリス労働史) | 奥田伸子 | ||
欧米社会論特殊講義(ドイツ経営学) | 森 哲彦 | ||
現代社会論特殊講義(家族・福祉論) | 滝村雅人 安達正嗣 | ||
現代社会論特殊講義(社会病理学) | 石川洋明 | ||
現代社会論特殊講義(労働社会学) | 藤田栄史 | ||
現代社会論特殊講義(経営情報システム論) | 矢野 均 | ||
現代社会論特殊講義(地方財政論) | (宮入興一) | ||
特別演習 | 文化研究特別演習 | 島根・成田・土屋・服部・福吉 | |
人間・社会研究特別演習 | 後藤・村井・丹羽 |
(注)カッコ書きは非常勤講師。
2002年4月の大学院人間文化研究科博士課程設置にともない、2003年1月、大学院人間文化研究科紀要『人間文化研究』(Studies in Humanities and Cultures)の第1号が刊行され、これによって本研究科修了者の研究成果発表の場(媒体)が設けられた。
2005年4月、人間文化研究科附置研究所として、1号館(人文社会学部棟)の1階に待望の人間文化研究所(Institute for Studies in Humanities and Cultures)が開設された。人間文化研究所設置の目的は、教育・研究の充実と地域社会への貢献を図るところにある。これまで、「人間・地域・共生」を研究活動の柱に据えた複数の研究分野にまたがる「共同研究プロジェクトチーム」が活発に研究活動を推進してきており、その研究成果は『人間文化研究所年報』などで公表されている。また当研究所はこれまで研究成果の一般市民向け発信の場として、「公開シンポジウム」「サイエンスカフェ」「マンデーサロン」などを開催、一般市民との交流にも積極的に取り組んできている。さらに名古屋市博物館との緊密な連携が図られ、シンポジウムも開催されている。
【注記】当初1号館1階に開設された人間文化研究所は、その後7階へ移転し現在は1階に戻っている。
歴代の研究所長は以下の通りである(カッコ内の数字は在任年度を示す)。
①村井忠政(2005~2006) ②福吉勝男(2007) ③山田明(2008~2009)
④阪井芳貴(2010~2013) ⑤寺田元一(2014~2015)
⑥別所良美(2016~2017) ⑦松本佐保(2018~2019)
人間文化研究所の現在までの主な活動及びその成果は次の通りである。
人間文化研究所では研究活動の柱として「人間・地域・共生」をキーワードに、地域社会への貢献を目指して複数の共同研究プロジェクトが実施されてきており、優れた研究成果をあげている。主な共同研究プロジェクトとしては次のものをあげることができる。「世界文学における混成的表現形式の研究」「名古屋市と東海3県における多文化共生の現状と課題」「18歳のハロー・ファミリー」「名古屋の観光まちづくり」「障がい児の発達を支援する親子教室の効果と学習プログラム開発」「地域に根ざす次世代育成支援としての〈学‐学‐社連携〉」「市博物館・地域と市立大学との連携による街づくり」「地域視座の平和学習及び平和実践」
(1)の共同研究プロジェクトの活動の成果を公表する場として、2006年3月に人間文化研究年報の創刊号が刊行され、これまでに第14号までが刊行されている。人間文化研究所年報では毎号〈特集〉が組まれ、そのほかに「調査報告」「書評」「共同研究プロジェクト・シンポジウム・研究会報告」「市民学びの会」「サイエンスカフェ・マンデーサロンなど人間文化研究所の活動報告」などで構成されている。
これまでに刊行された年報の号数、刊行年月、特集タイトルを、以下に掲げる。
号数 | 発行日 | 特集 |
---|---|---|
創刊号 | 2006年3月 | 〈宗教と共生〉 第1部 仏教と共生 第2部 宗教の現代的諸相 |
第2号 | 2007年3月 | 〈トランスナショナリズム〉 第1部 越境の文学 第2部 外国人住民との共生 |
第3号 | 2008年3月 | 〈福 祉〉 第1部 地域社会と福祉 第2部 自立に向けて |
第4号 | 2009年3月 | 〈名古屋の観光〉 第1部 「名古屋と観光」と名古屋学 |
第2部 観光まちづくりの国際比較 | ||
第5号 | 2010年3月 | 〈持続可能な社会〉 第1部 人間文化研究所5周年記念シンポジウム |
第2部 「持続可能な社会」とESD | ||
第6号 | 2011年3月 | 〈博物館と大学〉 基調講演 「市民共生の博物館を目指してー九州国立博物館―」 |
シンポジウム 「市博物館と市立大学と地域連携で魅力あるまちづくりをめざして」 | ||
第7号 | 2012年3月 | 〈博物館と大学Ⅱ〉 基調講演 「文化財を守るー東日本大震災の教訓からー」 |
シンポジウム 「文化財を守るー東海大震災に備えるにはー」 | ||
第8号 | 2013年3月 | 〈「近代」の文化財ー〈産業遺産〉の保存と継承ー〉 |
基調講演 「日欧の伝統水車と歴史的造船施設、保存の現状と価値」 | ||
シンポジウム 「「近代」の文化財ー〈産業遺産〉の保存と継承―」 | ||
第9号 | 2014年3月 | 〈現代社会における文化財保護の新しいあり方〉 |
基調講演 「パブリック・アーケオロジーから文化財保護への提言」 | ||
シンポジウム 「現代社会における文化財保護の新しいあり方」 | ||
第10号 | 2015年3月 | 〈ESDと中部の「里山資本主義」〉 |
第11号 | 2016年3月 | 人間文化研究所10周年記念事業 「『人間、地域、共生』をめざして -研究所の10年、回顧と展望- |
第12号 | 2017年3月 | 名古屋役西におけるリノベーションまちづくりの可能性 -「現代の家守」と持続可能な地域社会を考える- |
第13号 | 2018年3月 | 愛知学長懇話会 サステナビリティ・リレーシンポジウム開催報告 持続可能な都市・名古屋への高校生・大学生からの提案 |
第14号 | 2019年3月 | 地域貢献と国際貢献 -ESDとSDGsを目指して- |
第15号 | 2020年3月 | ジェンダー平等と日本社会の未来ー労働・政治・文化ー |
人間文化研究所ではこれまで数多くの公開シンポジウムや研究会が開催されてきた。比較的最近のものとしては、2014年11月8日にESD公開シンポジウム「中部の『里山資本主義』」が開催されている。これは人文社会学部が、2013年度からESD(持続可能な開発のための教育)を学部教育の理念として導入したこと、さらに2014年11月10日~12日には「ESDに関するユネスコ世界会議」が名古屋国際会議場で開催されることを踏まえたものであった。なおこの成果は『人間文化研究所年報』第10号〈特集号〉として掲載されている。
月曜日の午後に学内(1号館1階会議室)で人文社会学部の教員や大学院生による研究の報告・発表会を開催している。これは学部教員相互の学問的交流を図ることに主たる狙いがあるが、それとともに一般市民にも広く参加を呼び掛けている。
サクラサイドテラス(市立大学桜山キャンパス内)を会場に本学部の教員が一般市民を対象に自らの研究内容を分かりやすく講義し、参加者と対話・議論する試みである。お茶を飲みながらくつろいだ雰囲気のなかで開催されている。
広く市民に学びの場と交流の場を提供するとともに、市民の学びへの要求や大学への地域貢献の期待を大学運営に反映させるとともに、市民と大学との連携を目的として設立されたのが「市民学びの会」である。「市民学びの会」では、人間文化研究所が開催する公開シンポジウム、マンデーサロン、サイエンスカフェなどの企画運営に協力するとともに、講演会、さらに各種のグループ学習などの企画運営に主体的に関わり、市民の「生涯学習」の拠点となっている。