学部・研究科・附属病院の歴史
学部・研究科・附属病院の歴史
社会貢献活動としては、従前から大学主催の市民公開講座を分担してきたが、平成27年(2015)度から市立大学・市立高校高大連携講座「丸ごと研究室体験」を分担し、名古屋市立高校の生徒を受け入れている。他にも「教えて博士!なぜなにゼミナール」や「おもしろ科学教室」など名古屋市/瑞穂区のイベント等に協力している。本研究科の主導で行なっている主な社会貢献活動としては、サイエンスカフェ in 名古屋、サイエンスパートナーシップイベント、高校化学グランドコンテスト共同主催が挙げられる。この3つのイベントに関して以下に記述する。
サイエンスカフェ in 名古屋
本研究科では、市民との交流を通じて、市民が科学技術に対する関心と理解を深めることに少しでも貢献したいという主旨で、サイエンスカフェを開催している。第1回目は、平成18年(2006)6月に「らくだ書店」と「シアトルエスプレスカフェ」(いずれも名古屋市千種区)のご協力により開催した。その後、数年間かけて名古屋市全16区の喫茶店で開催した。現在は名古屋市青少年文化センター(アートピア)7階の7th Caféを中心に、原則的には毎月第3金曜日に開催している。平成27年(2015)10月には、100回の開催を記念して「サイエンスカフェ in 名古屋100 回達成特別講演会」を開催した。特別講演会では、郷通子先生に講演をいただき、サイエンスカフェの開催に尽力していただいた「らくだ書店」(代表取締役社長 外村英二氏)、名古屋市内16区の喫茶店を紹介してくださった「愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合」(理事長 舟橋左門氏)、その後継続して会場としてセブンスカフェを提供してくださっている「名古屋市文化振興事業団」(理事長 平野幸久氏)に感謝状と記念品をお贈りした。
令和2年(2020)には開催回数が150回を超えた。お客様の年齢層は10代から80代まで幅広く、常連の方から飛び入りの方まで、毎月約50名の方にお越しいただいている。また、平成29〜令和元年(2017〜2019)には、名古屋市科学館の特別協力のもと、「サイエンスパートナーシップイベント・中高生のためのサイエンスカフェ」を開催した。これまで15年間途切れることなく続いてきた当研究科のサイエンスカフェであるが、新型コロナウイルスの影響を受け、令和2年(2020)4月以降、開催できない状態が続いている。しかし同年8月には、南山高等学校男子部のご協力を得て、オンラインでのサイエンスカフェを初めて開催した。話題提供者は静岡県の研究所からご参加いただき、高校生は学校の教室、そして我々スタッフは大学から参加したが、大きな問題なく終了した。ご協力いただいた方々には大変感謝している。サイエンスカフェの魅力の一つは、お客様と研究者である話題提供者が対面で直接語り合えることである。博物館や大学で行われる講演会やシンポジウムとは違って、小規模な対話集会であることも特徴である。一方、オンラインでは、様々な専門分野の研究者に遠方からでも負担なく参加していただけるメリットがある。今後のサイエンスカフェの在り方を考えるうえで、大事な試みだったといえるかもしれない。
サイエンスカフェ in 名古屋の詳細や開催予定などについては、https://www.nsc.nagoya-cu.ac.jp/scicafe/index.html を参照のこと。
サイエンスパートナーシップイベント
名古屋市立大学と名古屋市科学館は、平成26年(2014)6月に締結した「名古屋市立大学と名古屋市教育委員会との連携協力に関する協定書」に基づき、新たに連携に関する覚書(サイエンスパートナーシップ)を平成28年(2016)3月に締結した。この締結を記念して、本研究科が中心となり医学研究科・薬学研究科の協力を得て名古屋市立大学と名古屋市科学館の協賛で平成28年(2016)11月にサイエンスパートナーシップイベント(講演会およびサイエンスカフェ)を開催した。このイベントは総合生命理学部の設置を記念するものであるために、イベントは次世代を担う高校生・中学生を対象としている。
令和2年(2020)12月には第5回目を開催した。本年度までの開催イベント講演会のタイトルは、第1回「魅力あふれる生命科学の世界」、第2回「ようこそ生命科学の世界へ」、第3回「生命科学研究への扉」、第4回「生命科学と化学の融合」、第5回「物質科学と生命科学のリテラシー」であり、本研究科・医学研究科・薬学研究科の強みである生命科学・化学分野などに関連したものになっている。本イベントは講演教員と参加者の交流を重視しているため参加人数は少なく設定されているが、毎回40〜60名の参加があり活発な交流が行われ、参加者には大変好評であった。
高校化学グランドコンテスト
高校化学グランドコンテストは平成29年(2017)度より大阪市立大学、横浜市立大学、本学と読売新聞社の3公立大学1新聞社の共同主催により開催されている。平成29年(2017)度第14回コンテストおよび平成30年(2018)度第15回コンテストでは、開催地を名古屋とし、全学体制で実施・運営を行った。その中でも本研究科は湯川研究科長をその実行委員長として、中心的な役割を果たした。
本コンテストの目的は高校生(高専生)のために研究発表の場を設けることにより、高校生に化学への興味を喚起させ、意欲の向上や研究能力、発表能力の向上および国際感覚の習得をさせる社会的な貢献にある。開催当日は日本全国の化学に関心を持つ高校生同士の交流に加えて、日本とシンガポールや台湾の海外の高校生との間の国際的な交流も図ることができた。
大阪市大から田辺通キャンパス,宮田専治記念ホールへ会場を移した第14回コンテストでは発表件数100件、参加校数66校,のべ841名の参加者となり、また翌年、第15回コンテストでは発表件数124件、参加校数76校、のべ1009名の参加者となった。どちらも過去最大の規模での開催ができた。また、入賞チームの中から毎年,Taiwan International Science Fair (TISF)への参加チームを選出しているが、第15回コンテストにて三大学学長賞を受賞した静岡市立高等学校が本コンテストでは初めての快挙となるTISF 2019において化学部門一等賞を受賞した。
以上の事から、発表件数の増加により参加校の研究の質も向上し、国際大会での一等賞受賞へと繋がったと推測することができる。本コンテストは名市大、特に本研究科が主体的に関わった事により、その大会規模が大幅に大きくなった。結果として、本コンテストは化学グランプリ(旧全国高校化学グランプリ)、高校生・高専生科学チャレンジとともに、日本の高校生のための化学三大大会の中の一つに名実ともになったと言うことが可能である。
<参考URL>
http://www.gracon.jp/gracon2017/
http://www.gracon.jp/gc/gracon2018/