学部・研究科・附属病院の歴史

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薬学部・薬学研究科

研究室紹介

医療機能薬学専攻

医療薬学講座

薬物動態制御学

漢方薬による副作用(偽アルドステロン症発症の個体差の研究)

トランスポーターの機能を探り、創薬・薬物療法に役立てる

 体内での薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)は、薬物の作用部位への到達性を決定付け、薬効発現に影響する他、副作用発現にも影響する。これを踏まえ、細胞膜を介する薬物の流出入を制御する各種トランスポーター(膜内在性輸送タンパク質)に注目し、それらの機能及び薬物動態との関わり等に関する研究に取り組んでいる。葉酸類の腸管吸収を担うPCFTを一例として紹介すると、葉酸拮抗薬であるMTXもPCFTの働きで良く吸収されるが(70%程度)、PCFTの存在しない腸管下部では吸収されない。トランスポーターに関する基礎情報の集積は、体内ないし特定臓器へのドラッグデリバリーへのトランスポーターの利用、個人差等を考慮した投薬計画(用法・用量)の最適化等に役立つものと期待される。この他、トランスポーター機能評価試験法や薬物動態予測法に関する研究、トランスポーターの創薬標的としての利用可能性の探索等にも取り組んでいる。

教授 湯浅 博昭
講師 保嶋 智也
助教 ⼭城 貴弘

漢方薬による副作用(偽アルドステロン症発症の個体差の研究)

病態解析学

多種多様な環境因子

医療現場の疑問を研究にいかす —病気を知って、病気を治す−

 私たちの研究室では、現在医療現場で克服できないさまざまな疾患の未知な部分を解明し、医療現場に還元する研究を目指しています。すなわち、病気を知ること(病態解析)で、病気を治す(治療法の確立)ことを目標にしています。
 現在取り組んでいるテーマは、グリアに注目した新規脳保護治療法の確立、骨粗鬆症予防のための破骨細胞分化制御、動脈硬化悪化予防を目指した発症初期バイオマーカーの探索といった幅広い内容です。研究テーマの多くは、名古屋市立大学病院をはじめとする医師との共同研究です。目の前で疾患に苦しむ患者を何とかしたいという多忙な医療現場の思いを、薬学研究の成果によって現実のものにしたいと日々研究を重ねています。
  新しい研究室の礎となる、元気で協調性のある若き研究者をさがしています。

教授 ⻘⼭ 峰芳
助教 ⻘⽊ 啓将

多種多様な環境因子

細胞情報学

細胞が感じるストレス 図

細胞性ストレスの生理的・病理的・薬理学的分子基盤の解明

 糖尿病や高脂血症、がんなどの生活習慣病の発症や進行において、酸化ストレスや小胞体ストレス、炎症・感染、DNA障害といった様々な細胞が受けるストレスが深く関与していると考えられています。当研究室では様々なストレスに重要な役割を果たしている転写因子やその標的分子に注目して、がんの発生や進行・悪性化(上皮間葉移行(EMT))、あるいは糖・脂質代謝異常などの生活習慣病へのストレスの関与についての研究を行っています。また、細胞が受ける様々なストレスは必ずしも細胞にとって不利に働くばかりではなく、時に細胞の増殖や分化、あるいはその機能に重要な働きをしていることが分かってきました。当研究室では特に細胞の増殖や細胞死、あるいは分化にストレスがどのように関わっているかを研究しています。

教授 林 秀敏
准教授 井上 靖道
助教 宮嶋 ちはる

細胞が感じるストレス 図

神経薬理学

こころ イメージ

「心」の科学の時代の創薬を目指す

 近年、開発が進んでいる新薬の多くが、精神神経系に作用する薬です。癌や生活習慣病の研究が、20世紀に急速に発展した中で、遅れていた「心」の科学の時代が、ようやく始まりました。
 私たちの研究室では、さまざまなモデル動物を用いた基礎研究を中心に、「心」を生み出す高次脳機能の解明を目指しています。特に、意識・睡眠覚醒・生活リズム・痛み・記憶などの現象に興味を持ち、その生物学的基盤を、個体レベルの行動薬理学解析、in vivo, in vitro 電気生理学解析、さらに分子細胞生物学解析などを駆使して調べています。また、ヒトの睡眠障害を対象にした臨床科学・疫学的な研究開発も進めています。
 これらの研究活動から、「心」が生まれるメカニズムを分子レベルから解き明かし、現在の医療では予防や治療が困難である「心」の変調による病気への優れた治療薬を生み出すことを目指しています。

教授 粂 和彦
准教授 ⼤澤 匡弘
講師 冨⽥ 淳

こころ イメージ
肺高血圧症とCa2+関連イオンチャネル

レギュラトリーサイエンス

副作用の図

医薬品の有効性と安全性を見極める

 レギュラトリーサイエンスは、医薬品や食品等の有効性や安全性を客観的に評価するための科学です。医薬品開発のみならず、医薬品の適正使用や食品等の安全性評価、生活環境中化学物質の健康影響評価で中心的な役割を果たしています。私たちの研究室では次のような研究課題に取り組んでいます。

  • 特異体質性副作用の発症機構の解明とバイオ・マーカーの探索研究
  • 大規模医療情報を用いた副作用発生の薬剤疫学的研究
  • 医薬品の国際共同開発の推進に向けた民族的要因に関する研究
  • In silicoでの安全性予測法の開発

教授 頭⾦ 正博
助教 安部 賀央⾥

副作用の図

病院薬剤学

患者に還元っできる研究を 図

臨床にフィードバックする研究を

 当教室では、大学院薬学研究科 病院薬剤学分野に加え、医学研究科 臨床薬剤学分野および名古屋市立大学病院 薬剤部の3つの分野において、教育・研究を展開しています。そのため、基礎研究および臨床研究の両方に取り組めることが当研究室の強みです。この特徴を活かし、臨床現場に直結する研究を進めることを柱にしています。また基礎研究と臨床研究の両方に重点を置くことで、将来、臨床現場において専門性を持って医療に貢献できる臨床薬剤師の育成を目指しています。

<研究テーマ>

  • 男性性機能障害に関する基礎的および臨床的研究
  • 下部尿路機能障害の発症機序と薬物療法の開発
  • 腎疾患の病態解明と新規薬物療法の開発
  • 抗がん剤投与時の副作用発現のリスク因子の解析

教授 ⽊村 和哲
准教授(診療担当) ⽇⽐ 陽⼦
講師 堀⽥ 祐志
講師(診療担当) ⻄出 景⼦

患者に還元っできる研究を 図
肺高血圧症とCa2+関連イオンチャネル

臨床薬学

臨床薬学分野 図

臨床に密接に関連した研究をやってみたいと思いませんか

 臨床薬学は、臨床薬物動態学、薬物代謝学、臨床薬理遺伝学、中毒学、医療経済学、医療心理学など幅広い学問からなる応用学問であり、医療現場の薬に関する全ての事が研究の対象となります。私たちは、薬を有効かつ安全に用いるために、細胞や実験動物を用いた研究だけでなく、病院や薬局の先生方との共同研究で健常者や患者の協力を得て、薬の有効性・安全性に係る因子や要因の解明を行っています。ヒトiPS細胞から肝細胞及び小腸上皮細胞への分化誘導と臨床薬物動態研究及び安全性評価への利用、患者からiPS細胞を樹立し代謝遺伝疾患の発症機序の解明と治療法を目指した疾患モデルの構築、糖尿病による血管障害の機序と薬物療法に関する研究、臨床現場に対応する実践的な薬剤師教育プログラムの開発(地域連携・リカレント教育部門)等幅広い研究に取り組んでいます。

教授 鈴⽊ 匡
教授 松永 ⺠秀
准教授 岩尾 岳洋
講師 菊池 千草
講師 坡下 真⼤

臨床薬学分野 図
肺高血圧症とCa2+関連イオンチャネル