学部・研究科・附属病院の歴史
学部・研究科・附属病院の歴史
「社会に出て働いている卒業生が勉強する場を作りたい。」これは今から36年前である昭和59年に榊原仁作教授(現名誉教授)の言葉です。今でこそ全国の薬系大学で生涯教育は盛んに行われております。また、参加して研修単位を獲得することは各種資格を得るための条件とまでなりました。しかし、昭和59年当時の大学は卒業までは面倒をみますが、その後の学びを支援するところではありませんでした。当時としてはとても珍しい画期的な試みでした。
卒後教育講座は薬友会と薬学部生涯教育委員会の共催で毎年行われています。1回3時間、9月、10月、11月の3回、180名くらいが出席し、宮田専治記念ホールで行う講義形式の大きな研修です。準備は1年がかりで前年の12月から始まります。開催日を決め、現在話題になっていることや勉強が必要な分野を考慮し講師を選定、依頼します。1月までにタイトル決定、3月の薬友会報で卒業生の方にお知らせします。本講座は名古屋市立大学卒業生以外の方にも公開しております。前年度出席された方には郵送でお知らせし、愛知県薬剤師会雑誌の薬苑、日本薬剤師会雑誌にも案内を掲載します。申し込みは薬友会のホームページから行っていただきます。また、参加者の方が予習できるよう前もってテキストを郵送します。テキストは賛同いただいた企業様からの広告収入に支えていただいており、広告募集は4月から行います。6月に講師からテキストの原稿をいただき、7月にテキスト作成を業者に依頼、8月に案内や参加票とともに郵送します。近年は愛知県病院薬剤師会の共催、愛知県薬剤師会の後援を受けております。
本講座が他学の生涯教育と大きく異なる点は、基礎薬学、臨床薬学、人文社会など幅広い分野をテーマに扱っていることです。思えば私が20年ほど前に初めて出席したのは病院で働いていて触れる機会がなくなった基礎研究について聴きたかったからでした。例えば令和元年度は薬学基礎研究者、製薬企業の研究者から薬の研究について、臨床医、病院薬剤師から最先端の医療について、日本文化の研究者から死生観について講演いただきました。参加者の方からは「こういう話はここでしか聴くことができない。さすが名古屋市立大学薬学部。」という感想をいただき、うれしく思ったものです。
私が卒後教育担当理事になって令和2年度で10年目となります。運営するのは簡単ではなく、毎年様々な問題が生じ、それを乗り越えております。歴史ある講座を受け継いだ重圧はありましたが、ここまで無事つなぐことができましたのは多くの方々に助けていただいたからです。参加者の方々、講師の先生方、薬友会長河村典久先生はじめ薬友会理事委員の先生方、生涯教育委員の先生方、アルバイトの学生達、愛知県病院薬剤師会、愛知県薬剤師会に御礼申し上げます。特に事務担当の横倉清子様、ともに担当理事をしてくださった伊藤友香様、萩原宏美様、筒井裕子様に深く感謝いたします。そして、榊原仁作先生。初めのうちは直接ご指導いただきました。最近はご参加いただくことがかなわなくなりましたが、先生の御意志は今も受け継がれておりますとお伝えしたく存じます。
代議員会・総会の様子
懇親会の様子
薬友会 卒後教育担当理事
菊池 千草 (平成3年卒)